こんにちは、私は長井達也です。
今回は、「サロン独立開業時の顧客名簿持ち出しガイド!違法?合法?罰金ルールは?」について詳しく解説します。
現在お勤めの店舗を退職して独立開業する際、これまでご指名いただいたお客様との関係をどう活かすかが重要な課題ですよね。
そこで、顧客名簿を持ち出す事で、新しいサロンでのスタートは順調な門出になるかもしれませんが、その方法やリスクについて十分に理解しておくことが必要です。
まず、顧客名簿を持ち出す行為には法的な制約があります。つまり窃盗罪の適用範囲や罰則を理解しておくことは重要です。
刑法第235条に基づく窃盗罪は、顧客名簿を持ち出した場合に適用され、被害届を提出されれば警察が介入し、刑事訴訟が行われる可能性があります。
そのため、顧客名簿を持ち出せずに開業するという選択肢もありますが、これでは正直多くの人が独立をためらう要因になるとおもいます。
そこで、今回は独立開業後も既存のお客様とのつながりを維持するために、以下の点について詳しく解説していきます。
顧客名簿の取り扱い方
顧客との繋がり方
これらのポイントについて、具体的な方法や注意点をご説明していきますので、ご参考にしてください。
顧客名簿を無断で持ち出した場合
顧客名簿は会社・お店の資産(財物)です。
お店や会社に無断で持ち出した場合、ポジションや内容により適用される法律が変わります。
顧客名簿を無断で持ち出した場合
・刑法第235条 窃盗罪「 10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」
・刑法第253条 業務上横領罪「10年以下の懲役」
・不正競争防止法違反「 10年以下の懲役又は50万円以下の罰金」
まず紙などに印刷された顧客名簿(財物)などを持ち出すと、窃盗罪が成立する可能性があります。
次に従業員など立場など利用して顧客情報の印刷されたものなどを持ち出した場合、窃盗罪ではなく業務上横領罪が適用される事になるかと思います。
さらに独立開業後、営業活動に役立てるために顧客名簿を持ち出すと、不正競争防止法違反となる可能性もあります。
特に入社時などにお店側や会社側と守秘義務契約を締結している場合、これに該当する可能性があります。

個人情報保護法について
個人情報などが記載された顧客名簿は、会社・お店の財産ですが、一方で顧客の個人情報は、顧客自身の権利(プライバシー権)が含まれるものなります。
そのため会社やお店が、顧客の了解を得ないまま第三者に開示すると個人情報保護法違反となってしまいます。
また個人情報保護法で、企業や個人事業主などは個人情報の漏えい等が生じないように安全に管理する義務があります。
ですから自分の指名客だからと言って、顧客名簿を従業員が持ち出せる権利はありませんし、会社やお店側も顧客に無断で顧客名簿を独立する従業員に譲渡する事は出来ません。
個人情報保護法の対象事業者は?
これまで個人情報保護法の対象となるのは、5000人を超える顧客情報を保有する事業者でした。
しかし平成29年5月30日に個人情報保護法が改正。
法人、個人事業主を問わず1件でも個人情報をデータベース化して事業活動しているところは全て含まれる事になりました。
指名顧客とつながりを持つには?
最近はミニモなどの媒体に代表される様に、お店単位の集客から個人単位の集客に移行していますよね。
売上を作っていくという意味でも、個人発信が重要です。
つまりTwitterやインスタグラムなどでSNSを活用し、日々の情報発信を行い、顧客と独立前から繋がっておくというのが現実的な対応方法です。
ですから顧客名簿を取得するのではなく、個人と繋がっておくという事が重要になります。
まとめ
以上、”サロン独立開業時の顧客名簿持ち出しガイド!違法?合法?罰金ルールは?”はいかがでしたか?
個人情報保護法の改正などもあり、企業やお店側は個人情報(顧客名簿)の持ち出しにより一層の配慮が必要です。
ポイント
・独立開業の直前に慌てて顧客名簿を持ち出すと多くの刑事罰を受ける可能性があります。
・民法上、損害賠償請求を受ける可能性があります。
・お店や会社側は独立するスタッフに顧客名簿を渡す事は法律上出来ません。
・独立開業した店舗にこれまでの顧客を呼ぶには事前にLINE交換などが適切です。