こんにちは、長井 達也です。
今回は、『マンションの一室で始める美容室開業ガイド!自宅にシャンプー台を設置する方法!』について詳しく解説いたしますね。
最近ではInstagramなどSNSを積極的に活用する美容師さんも増えた事で、お客様も「お店」ではなく「人」で美容室を選ぶ時代になりましたよね。
そのためシェアサロンやマンションの一室を活用し、ひとりで美容室を開業される美容師さんも増えています。
しかし美容師さんの中には「マンションの一室で美容室を開業出来るの?」「自宅にシャンプー台設置可能なの?」など疑問も多いのではないでしょうか?
確かに、マンションの一室で美容室を開業する場合でも保健所が指定する設備構造基準に基づいて内装を行う必要があります。
また賃貸マンションはもちろん分譲マンションでも、許可も取らず勝手にシャンプー台を設置して美容室を開業する事は出来ません。
そこで今回オススメするのが、”SOHO”タイプの賃貸物件で美容室を開業する事です!
賃貸マンションの1室で美容室が開業出来れば、内装費用も賃料を安く済ませる事が出来そうですよね。
また1人で美容室を開業するなら、カット面1~2台とシャンプー台を1台設置出来れば問題ないので、ワンルーム程度の賃貸マンションでも十分ですよね。
今回は賃貸マンション等の一室で美容室を開業されたい方に向けて
- 賃貸マンションで美容室を開業する方法
- 賃貸マンションで美容室を開業するための内装工事
- 自宅・マンション等でシャンプー台を設置する方法
について詳しく解説していきたいと思います。
賃貸マンションで美容室を開業する方法
貸店舗で美容室を開業する場合、最初に保証金や内装費用など、多くの開業資金が必要です。
たとえば僅か10坪(約33㎡)程度の貸店舗でも、美容室を開業するには内装費用だけで200万円~300万円程度の資金が必要です。
さらに、エアコン、シャンプユニット、温水器などの什器設備を購入した場合には追加で100万円~200万円の出費となります。
そのため、多くの人は数百万円の自己資金を貯めて、足りない分を政策金融公庫などから借り入れて開業することが一般的です。
一方、賃貸マンションで美容室を開業する場合、後はシャンプーユニットや稼働式の鏡などを設置するだけで費用は済みます。
ただし、一般的な賃貸マンションは居住用であるため、店舗として開業することはできません。
貸主に連絡せずに勝手に営業してしまうと、賃貸借契約違反となり、発覚次第、ただちに退去を求められることになります。
そこで、賃貸マンションで手軽に美容室を開業したい!と思っている方におすすめするのが、「SOHO物件」です。
SOHO(Small Office, Home Office)とは、住居仕様の内装でありながら、店舗契約や事務所契約、居住契約が可能な賃貸物件のことを指します。
一般的に、商業地域に多く存在し、SOHO物件と呼ばれています。
SOHOタイプのマンションは、内装がオシャレでデザイナーズ物件と呼ばれることもあります。
ちなみに、SOHO物件を探す場合は、スーモ、マイナビ、アパマン、エイブルなどから一括検索できるDOOR賃貸が便利です。
気になるSOHO物件が見つかったら、美容室を開業することが可能かどうか、一度問い合わせてみると良いでしょう。
マンションで美容室を開業しシャンプー台を設置するには?
賃貸マンションの一室でも、SOHO物件などであれば美容室を開業できる場合があります。
ただし、マンションで美容室を開業し将来解約になった時には、入居した時の状態に戻す必要があります。
これを「原状回復義務」と言い、出来るだけ現在の内装を変更しない形で内装工事を行う事で退去時の原状回復費用を抑える事ができます。
また賃貸マンションで美容室を開業する場合でも、貸店舗で開業する場合と同様の設備要件がないと保健所の営業許可降りません。
そのめ、マンションの一室で開業する場合でも最低限のスペース(13平米以上)を確保する必要があります。
設備要件
作業スペース:
作業イス2台まで9.9平方メートル以上。3台以上は1台増すごとに3.3平方メートル以上加える。
待合スペース:
3.3平方メートル以上で、作業場とは、棚、つい立てなどで区分する。
固定式シャンプーユニットの設置方法
賃貸マンションの一室等で美容室を開業する場合、当然ながらシャンプー台を設置しないと保健所の許可がおりません。
しかし賃貸マンションなどで新たにシャンプーユニットを設置する場合、水回り工事(給水・排水・ガス工事など)が発生します。
大掛かりな工事になれば、退去時の原状回復工事費用も高額になります。
そこで内装費用を抑える方法として、シャンプー台を設置の部分だけ15~30センチほど床上げを行い、その下部に給排水管を隠します。
これは貸店舗物件で開業する美容室の内装でもよく見かける方法です。
ポイント
バックシャンプーではなく、サイドシャンプーなら、壁配管が可能になります。つまり壁配管なら床上げをしなくても良い場合があります。
なお排水については、お風呂場・洗濯盤・キッチンの下部でジョイントさせる事ができれば、大きな原状回復工事は発生しません。
次に美容室の開業に伴い、床材は浸透性のあるもの(絨毯や畳など)では保健所の営業許可は下りません。
物件選びの段階で絨毯や畳の物件を避けて、フローリングまたはクッションフロアと呼ばれる材質の賃貸物件を選ぶ事が得策です。
ポイント
・シャンプーユニット部分は床上げ(20~30センチ)する。
・排水管は床上げした下部に設置し、キッチンや洗濯盤にジョイントして排水する。
・200V動力が使えない場合があるのでボイラーは電気屋さんに事前相談
・床材は絨毯の物件は避ける。(保健所審査が通らない)
※移動式シャンプーユニットを設置する方法
自宅や賃貸マンションの一室で美容室を開業する場合、固定のシャンプー台を設置出来れば良いですが、物理的に難しい場合も有ると思います。
そこで、移動式シャンプーユニットを選択するという方法もあります。
商品としては、移動式シャンプー台PERROなどが有名です。
こういった移動シャンプの給水は、ガス給湯器やキッチンからダイレクトに行う事も可能です。
排水については、洗濯盤にジョイントするか、お風呂場、キッチンの排水に接続させるなどで対応できます。
賃貸マンションで美容室を開業する場合、保健所に届出が必要?
美容室を開業する場合、賃貸マンションや貸店舗など形態を問わず保健所へ美容所登録を行う必要があります。
美容所登録は美容室をオープンさせる1~2週間前までに管轄する保健所へ「美容所開設届出書」と言う書類を提出します。
具体的な営業開始までの手順
- 保健所へ開設届出書提出(届出書記載事項・添付書類についての審査、届出受理等)
- 施設の現場確認検査の日程調整
- 保健所職員による施設の現場確認検査(※この日までに必要な設備を整えてください)
- 後日、美容所確認済みの証の交付
- 届出の時期は、営業開始の概ね10日前(遅くとも1週間前)まで
賃貸マンションでサロン開業するために必要な開業資金
概算になりますが、家賃6万円ぐらいの物件の場合、合計350万程度の資金が目安です。
もちろん全額自己資金である必要はなく、国民政策金融公庫などの活用も検討しましょう。
ポイント
賃貸契約の初期費用 約50万円
・初回家賃6万円
・保証金6ヶ月
・仲介手数料1ヶ月
内装費用の工事費用 約100万円
・給排水工事 50万円(給水・排水)
・雑工事 50万円(電気工事・大工工事・ガス工事)
内装設備の費用 約100万円
・シャンプーユニット 30万円
・家具 40万円(カウンター・施術チェアなど)
・備品 30万円(タオルウォーマー・エアコン・など)
運転資金 約100万円
まとめ
以上、”マンションの一室で始める美容室開業ガイド!自宅にシャンプー台を設置する方法!”はいかがでしたか?
2023年7月タカラベルモントから、スタイリングチェアとシャンプー台が一体となった(ミニマルサロンユニット ワン)が発売されました。
ワンタッチでチェア内部に収納されているボウルが出てくるギミックで、SOHOタイプの賃貸マンションなど、省スペースで美容室を開業されたい方の需要を見越した製品です。
また一方で、2040年には高齢化社会のピークを迎えます。
そのため、これからは店舗内装においてもバリアフリー化や、移動距離をなくした内装など高齢化に備えて内装を準備していく必要があります。
マンションの一室で美容室を開業される際にも、可能な限りバリアフリーと移動距離を短く居するという内装設計が他店との差別化に繋がる可能性があります。
最後に、賃貸アパートや賃貸マンションの一室などは、気軽に美容室を開業できる訳ではありません。
SOHOと呼ばれる賃貸マンション等であれば美容室を開業できる可能性もあるため、まずは出店地域の不動産会社に訪問し根気よく物件探しを行いましょう。
ポイント
- 賃貸マンションで美容室を開業する場合、soho物件を探しましょう。
- 賃貸マンションで美容室を開業する場合、保健所の設備基準をクリアする必要があります。
- 賃貸マンションで美容室を開業する場合、給排水は風呂場・洗濯盤などを活用がおすすめ。