こんにちは、長井 達也です。
今回は、『メンズエステ(メンエス)開業・経営ガイド!開業届・風営法など届出許可』について詳しく解説いたします。
最近は、メンズエステで働くセラピストさん自身がサロンオーナーとして開業するケースが少なくない様です。
そこで、これからメンズエステを開業したいと考えている方の中には、「風営法とは何か?」「メンズエステ(メンエス)開業に必要な物や手続きは?」といった疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。
確かに「一般的なメンズエステ」と「風営法に該当するメンズエステ」では、どこが判断基準の分かれ目となるのかわかりにくいですよね。
確かに、「一般的なメンズエステ」と「風営法に該当するメンズエステ」では、その判断基準がわかりにくい部分があります。
実際、風営法のグレーゾーンで健全店として営業を行っているメンズエステサロンも多く、さらに判断を難しくしています。
また、風営法だけでなく、メンズエステサロンを開業するためには、物件選定・集客・人材の確保など、多くのやるべきことがあります。これらの要素を適切に管理しなければ、成功することは難しいと言えます。
そこで今回の記事では、メンズエステサロンを開業したい方に向けて、以下のポイントについて詳しく解説します。
- メンズエステ(メンエス)の開業に必要な資格
- メンズエステ(メンエス)の開業に必要な許可
- メンズエステ(メンエス)の経営・運営方法
これらの情報を通じて、メンズエステサロンの開業に向けた疑問や悩みを解決しましょう。
これから開業を考えている方にとって、具体的で実践的なアドバイスを提供しますので、ぜひ参考にしてください。
メンズエステサロンの現状
”メンズエステ”とは、男性のお客様に限定したフェイシャル・ボディシェイプ・脱毛などの美容を提供するサロンを言います。
大手のメンズエステでは、トータルビューティーを提供している「メンズTBC」などが有名ですよね。
またメンズエステでも、主にワンルームマンションなどで店舗を開業し、オイル施術をメインとする通称”メンエス”と呼ばれるジャンルがあります。
"メンエス”には風営法の適用を受けたもの(風俗店)と、風営法の適用を受けないメンエス(健全店)の2種類があります。
なお本来は風営法許可が必要なのに、無許可で「グレーゾーン」と呼ばれる形態で営業しているメンエスに関して、これまでサロンオーナーだけでなく、セラピストの逮捕事例が多数あります。
そこで一般的なメンズエステ(健全店)と、風営法の許可が必要なメンズエステ(風俗店)の違いについてまとめてみました。
種類 | メンズエステ (一般) | メンズエステ (風営法適用) |
管轄 | 保健所等 | 公安委員会 |
営業時間 | 無制限 | 制限あり |
出店地域 | 原則無制限 | 制限あり |
施術内容 | ・個室可能 ・オイルトリートメント | ・個室可能 ・性的好奇心を提供 |
クレカ導入可否 | 導入可能 | 制限あり |
1Rマンションの 賃貸借契約 | 賃貸借契約上、出店不可となる場合があります。 | 賃貸借契約上、出店不可となる場合があります。 |
貸店舗物件の 賃貸借契約 | 出店可能 | 風営法に該当する店舗は出店NGとなる場合あり。 |
上記の通り、同じ「メンズエステ」という呼称であったとしても施術内容に「性的好奇心に応じてその客に接触する行為等」が含まれている場合、風営法上の店舗型風俗特殊営業の「2号営業」店舗型ファッションヘルスに該当する事になります。
風営法に該当するメンズエステとは?
個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業
また令和4年4月1日に「 風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準 」が通達されました。
この通達で「性的好奇心に応じてとは、当該客の性的な感情に応えてという趣旨」という解釈になるとしか明記されていません。
つまり施術に射精(ヌキ行為)が含まれるかどうかは関係ない点を注意しましょう。
なお風営法の許可を得てメンズエステ(店舗型ファッションヘルス)の営業を行う場合、出店地域や営業時間などの制限を受ける事になります。※所在地の条例を確認する必要があります。
他にも賃貸マンションなどでは賃貸借契約上も含め、風営法の適用を受けた店舗(=風俗店)の営業は出来ません。
そのため通常のメンズエステ(健全店)として開業し「グレーゾーン」の施術内容を行う事で、風営法違反として逮捕される方が後を絶ちません。

メンズエステサロンの施術に必要な資格
メンズエステサロンでお客様に施術を行う上で必要となる資格ですが、オイルマッサージ、痩身、脱毛(※レーザー脱毛は医師の資格が必要)などの施術を行う場合。
必要になる国家資格などはありません。
ただし美容師法により、”美容師の免許を持たないものは美容を業として行うことはできない”とも規定されています。
この美容師法の”美容”とは、首から上の容姿を美しくする事とされています。
そのため顔そりや眉毛カットなどは、理容師・美容師免許と保健所に美容所登録された場所でのみ施術が可能となるため、メンズエステサロンでは施術出来ません。
メンズエステサロンを開業するのに必要な許可
個人でメンズエステ(風営法の適用を受けない健全店)を開業する場合、税務署に提出が必要な開業届のみになります。
開業届とは個人で新たにお金を生む仕事を始めたら、1カ月以内に税務署へ届出が必要な書類になります。
そのため個人で新規にメンズエステを開業する際には、開業届の提出が必要という訳です。

なお開業届の記載方法は少し難しく分かりにくい書面になっています。
そこでおススメなのが、簡単な質問に答えると無料で開業届が作成出来るサービス、freee開業です。
freee開業なら確定申告でメリットが多い青色申告に必要な『青色申告承認申請書』も同時に作成出来ます。
実際、私も登録して試してみましたが、5分程度で手軽に開業届を作成する事が出来ましたよ。
後はパソコンで印刷して税務署に作成した開業届を郵送(2部郵送し、1部控え用で返却してもらいます)するだけでOKです。
※『開業届の提出を忘れていた方!』遅れて提出してもペナルティーはないので、早速作成して提出して下さいね。
メンズエステの開業に 必要な資格・許可 | 届出先 | 費用 |
---|---|---|
開業届 | 税務署 | 無料 |
※シャワー・浴槽の利用について
例えばメンズエステで入浴させた場合、”公衆浴場法”という法律が適用されます。
また公衆浴場法により、エステサロンでも泥風呂・よもぎ蒸し・ハーブテントなどを導入した場合も同様に適用を受けます。
この場合、都道府県知事(保健所設置市又は特別区にあっては、市長又は区長)の許可を受ける必要があります。
例えば高級スパで有名なオリーブスパさんなども、公衆浴場(岩盤浴設置のため)として登録されています。
なおメンズエステではワンルームのマンションタイプで開業された場合、元々シャワーや浴槽がついているともいます。
これらの利用を前提とした場合には”公衆浴場法”が適用となる場合があるため、開業する地域の保健所にて事前相談がおすすめです。

公衆浴場を無許可又は都道府県知事による営業停止命令に反して営業した者は、6か月以下の懲役又は1万円以下の罰金に処される(第8条)事になります。
風営法の申請手続き
風営法の適用を受けるメンズエステを開業する場合、公安委員会に風俗営業の許可申請書を提出します。
なお各種申請及び届出についてのご相談、お問い合わせは、警察署の生活安全課にて受け付けています。
しかし風営法の出店には多くの規制があり、出店できない地域はもちろん、内装設備や営業時間の制約などがあります。
また書類作成も調べる事が多く、警察署の方が代行してくれるわけではないので、書類作成が苦手な方は、行政書士の先生に相談される事をオススメします。
例えばクラウドワークスなどで、気軽に行政書士さんに仕事を依頼したり相談する事が可能です。※依頼した場合の相場は30万円程度です。

税務署に提出が必要な開業届のみになります
メンズエステサロンの物件探し
メンズエステサロンの開業場所として多いのが、賃貸マンションで開業する方法です。
しかし大家さんに無断で賃貸マンションでエステサロンを開業し、その事実が発覚した場合には賃貸借契約違反で即時解約させられます。
また一般的に賃貸マンションのような居住用物件では、店舗営業を行う事が出来ません。
そこでオススメするのが、SOHOタイプの賃貸マンションでサロン開業する事です。
SOHOとは、マンション仕様なのに店舗や事務所利用が可能な物件です。
SOHOタイプの賃貸マンションなら貸店舗物件に比べても内装工事などの初期費用も安く住みますし、賃貸契約に掛かる初期コストも安く収まります。
特に最近はSOHOタイプのデザイナーズ賃貸マンションも増えています。
なおSOHO物件を探すなら例えばDOOR賃貸がオススメです。
大手賃貸物件サイトをまとめて検索可能(スーモ、マイナビ、アパマンなど)で事務所SOHO可能な物件特集があります。
※SOHO物件でも一部は店舗不可(事務所のみ可能)の場合があります。
また先にも説明いたしましたが、風営法の適用となるメンズエステは開業出来ない場合がほとんどです。
ほかにもエステはOKだけど、メンズエステはNGという場合もあります。
そのため顧客に関して男女OKにしておくことも審査の上では重要かもしれません。
メンズエステ開業時にスマホ決済を導入
メンズエステ(風営法の適用外)の開業準備が整ったら、お店の支払手段としてスマホ決済(クレジットカード決済)の導入も忘れずに行いましょう。
最近では、スマートフォンやタブレットを使ったスマホ決済(クレジットカード決済)が安価で手軽に導入可能になり急速に普及しています。
そこでメンズエステの開業にあわせて、スマホ決済(クレジットカード決済)の導入がおすすめです。
スマホ決済サービス(モバイル決済) 比較表
サービス名 | |||
決済端末 | ![]() | ![]() | ![]() |
決済端末価格 | 4,980円~ | 19,800円 | 19,800円 |
月額料金 | 0円 | 0円 | 0円 |
決済手数料 | 2.5%VISA/Master | 3.24% VISA/Master | 3.24% VISA/Master |
入金サイクル | 最短 翌日 | 月6回 | 最短 翌日 |
その他の決済 | PayPay決済・交通系対応 | PayPay決済・交通系対応 | 交通系対応 |
備考 | 端末価格4980円 | 端末実質無料 | 端末無料 |
上記3社のサービスに共通するのは下記の3つです。
ココがポイント
1:初期導入コストの安さ
2:売上に応じた手数料の安さ
3:入金スパンの早さ
メンズエステにPAYPAYは導入できる??
スマホ決済PayPay(ペイペイ)は現在のところ、風俗店やギャンブル店など一部の業種で利用制限しています。
そのため風営法の適用となるメンズエステでは、スマホ決済paypayの導入は出来ません。
一方、その他のメンズエステであれば導入できる可能性があります。
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個人事業主におすすめ!キャッシュレス決済paypay(ペイペイ)導入ガイド!
こんにちは、長井 達也です。 今回は”個人事業主おすすめ!キャッシュレス決済paypay(ペイペイ)導入ガイド!です。 現在、PayPay決済の導入を検討している個人事業主の皆様にとって、以下のような ...
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セラピストとの契約は?
一般的に時給でセラピスト雇用するのではなく、業務委託契約を締結する事になります。
業務委託契約とは、正社員やアルバイトの様に労働時間に応じて対価を支払うのではなく、仕事の成果(歩合)に応じて報酬を支払う契約です。
なお、素人判断で業務痛く契約書を作成した場合、やはり不備があれば大きな問題になるので最初はプロに作成してもらうのをオススメします。
例えば日本最大級の仕事マッチングサイトクラウドワークスなどであれば、行政書士の方や企業の法務部に務める方に副業として【契約書】等の作成を気軽に依頼する事が出来ます。
メンズエステの集客方法
まずはお店の認知を行うためにも、ホームページの作成は必須です。
下記の記事も参考にして下さい。
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メンズエステ(メンエス)のホームページ制作ガイド!ワードプレスで簡単作成!
こんにちは、長井達也です。 今回の記事は「メンズエステ(メンエス)のホームページ制作ガイド!ワードプレスで簡単作成!」です。 メンズエステを効果的に集客するためには、お店のホームページを作成し、メンズ ...
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またセラピストさんは積極的にSNS(TwitterやInstagram)を活用し、作成したホームページに誘導するというのが基本的な流れになります。
次にSNSでは検索されやすいように、#メンズエステ #メンエス #地域名 のハッシュタグもセットで投稿するのが基本です。
メンズエステ開業後の確定申告
個人事業主としてメンズエステを開業したら確定申告を行う必要があります。
確定申告とは、個人事業主の方が1月1日~12月31日までの1年間の営業結果を翌年の2月16日~3月15日の間に税務署に申告する事を言います。
また確定申告の種類には、青色申告と白色申告という2種類の方法があり、青色申告で申告した方が税金が安くなります。
確定申告 の種類 | 白色申告 | 青色申告 | |
---|---|---|---|
届け出の必要 | なし | あり | |
所得控除額 | なし | 10万円 | 55万円 |
帳簿の種類 | 単式簿記 | 単式簿記 | 複式簿記 |
赤字の繰越 | 繰越不可 | 3年繰越可能 |
そこで、今回は会計や簿記の知識がなくても、お小遣い帳感覚で確定申告が可能な、インターネット上で入力出来るクラウド型と呼ばれる確定申告書が作成出来る会計ソフトをご紹介します。
下記が現在提供されているクラウド会計の大手3社がおすすめです。
弥生の青色申告 | freee会計 | マネーフォワード確定申告![]() |
セルフ 年9,680円 | スターター 年12,936円 | パーソナル 年16,896円 |
電話サポート付 年26,400円 | 消費税申告(インボイス制度)は年26,136円 | 電話サポート付 年39,336 円 |
最安値&人気No1! | スマホで領収書撮影するだけの簡単処理! | 個人事業主の伸び率No.1 |
初期費用0円 | 初期費用0円 | 初期費用0円 |
2023/10/28 現在
まとめ
以上、”メンズエステ(メンエス)開業・経営ガイド!開業届・風営法など届出許可について”はいかがでしたか?
メンズエステ(メンエス)を開業するには、風営法、美容師法、公衆浴場法などたくさんの法律が絡んでいます。
しかしメンズエステ(メンエス)の開業を安易に考え、グレーゾーン以上の施術で逮捕されるサロンオーナーやセラピストさんが後を立ちません。
そこで、まずは法律に基づいて必要な届け出を行い、健全店でもしっかり利益がでる方法として、ビジネスモデルを考えてみるというのも重要になります。
例えば、メンズエステは一般の男性には敷居が高いジャンルです。
そのため、一般の方との接点を設け間口を拡げるため「メンエス・スナック」という取り組みをされているメンズエステもあります。
つまりクイックマッサージ以上、メンエス(風営法の適用)未満という、癒やし重視の領域でメンズエステの展開を考えるのも面白いのではないでしょうか。
ポイント
- メンズエステでは個室で異性に対して性的なサービスを行うには「風営法」の適用を受け風俗店として営業が必要です。
- メンズエステでシャワーブースを活用する場合、「公衆浴場法」の適用を受けます。
- メンズエステの開業場所をワンルームマンションとする場合、SOHO物件を探しましょう。
- メンズエステの開業準備を始めたら、1ヶ月以内に税務署に開業届
の提出が必要です。