こんにちは、長井 達也です。
今回は、『自宅サロン(プライベートサロン)を賃貸物件で違法なく開業する方法!営業許可や手続』について詳しく解説いたします。
最近は自宅の一部を利用して、美容系のサロンを開業される方が増えていますよね。
このような形態を「自宅サロン」や「プライベートサロン」と言い、主に女性の方が気軽に開業出来る手段として定着しています。
しかし自宅サロンを始めた方にとって「営業許可は必要なの?」「違法にはならないの?」といった悩みはありませんか?
確かに、賃貸マンションなどで勝手に自宅サロン(プライベートサロン)を始めた場合、賃貸借契約違反や法律違法となる可能性があります。
また分譲マンションや戸建住宅で自宅サロンを始めた場合も、100%問題がないとは言い切れません。
そこで今回「自宅サロンを開業時、営業許可は必要?違法なく開業する方法は?」と悩んでいる方に向けて、
- 自宅サロンを賃貸マンションで違法なく開業する方法
- 自宅サロンに最適な賃貸物件を探す方法
- 自宅サロンを運営するのに必要な許可・手続き
- 自宅サロンを戸建・分譲マンションで行う場合の注意点
など自宅サロン(プライベートサロン)の開業方法について、詳しく解説していきますね。
自宅サロンとは?
自宅サロンは、別名おうちサロンやプライベートサロンとも言い、自宅の一部を利用した美容サロンの事を言います。
また自宅サロンで提供される施術内容として、ネイル、エステ、リラクゼーション、マツエク・脱毛などが一般的に多い様です。
最近では自宅とは別に賃貸マンションを借り、そこを自宅サロン(プライベートサロン)として独立開業される方もいらっしゃいます。
賃貸マンションで「自宅サロン」としてネイルサロンやエステサロンなどを開業出来れば、貸店舗を借りる場合より低リスクで開業可能になりますよね。
この様に自宅サロンを開業するメリットは、主婦の方が家事の合間でも開業出来る事や、初期費用やランニング費用を安く抑えられる点にあります。
自宅サロン開業時の許可・手続き
自宅サロンを開業したら、税務署に「開業届」を提出する必要があります。
開業届とは、個人事業主としてお金を貰う仕事を始めた場合に、納税地の税務署に1ヶ月以内に提出が必要な書類になります。
ちなみに「個人事業主」とは、会社などは設立せずに個人で商品やサービスの対価としてお金を貰う仕事を行っている人の事を言います。
ポイント
自宅サロンを開業する=自動的に個人事業主になる
つまり自宅サロンを開業すれば自動的に個人事業主となり、税務署に開業届の提出を行う必要があると言うことです。
ちなみに開業届は税務署に行って書類を取得・提出する事も出来ますが、freee開業と言う無料のWEBサービスを利用すれば手軽に作成できます。
簡単な質問に答えるだけで開業届が自動作成出来ます。
またfreee開業なら、確定申告時に税金がお得になる青色申告の申請書、『青色申告承認申請書』も同時に作成出来るのでオススメです。
実際、私も登録して試してみましたが5分程度で手軽に開業届を作成する事が出来ました。
後はパソコンで開業届を印刷し最寄りの税務署に郵送(開業届2部と身分証明書を添付し返信用封筒を付ける)すればOKです。
後日、添付の返信用封筒に開業届が1部控えとして送付されます。
Q.賃貸マンションで自宅サロン開業する場合、貸主許可は必要?
まず賃貸マンションや賃貸アパート等で自宅サロン(おうちサロン・プライベートサロン)を開業したい場合、契約前に必ず大家さんに確認が必要です。
なぜなら貸主である大家さんに相談もなく無断で自宅サロンを開業した場合、契約後に様々な問題(違法性)が生まれ、退去を迫られる可能性があるからです。
そこで賃貸マンションや賃貸アパートなどで自宅サロンを無断開業した場合の問題点について、洗い出してみたいと思います。
賃貸物件で自宅サロン開業→賃貸借契約違反
賃貸物件を借りる際、居住用か事業用のどちらかで大家さんと賃貸借契約を結ぶ事になります。
”居住用”とはもちろん住む事を目的とした賃貸借契約になり、賃貸マンションは通常「居住用」として借りる事になります。
一方で事業用とは、店舗や事務所として利用する事を目的とした賃貸借契約になります。
自宅サロンでエステサロンやネイルサロンとして開業するなら当然、事業用の物件で契約する必要があります。
しかし賃貸マンションや賃貸アパート等では、原則”事業用”として賃貸借契約は出来ません。
また居住用として契約した賃貸マンションで勝手に自宅サロンを開業される方もいますが、下記の法律に接触する可能性が出てきます。
民法594条 第一項
借主は、契約又はその目的物の性質によって定まった用法に従い、その物の使用及び収益をしなければならない。
つまり賃貸物件を借りた人は、賃貸借契約書に定められた目的(事業用または居住用)に従い使用しないと民法上、違法となります。
例えば住んでいる賃貸マンションで、週末だけ自宅サロンとして開業した場合でも営利目的である以上、違法となります。
また賃貸借契約書の禁止事項に『本契約に定める目的以外に使用した場合』等の記載があるのに自宅サロンを開業した場合、その事実が発覚すれば退去を求められる事もあります。
賃貸物件で自宅サロン開業→消費税法の問題
賃貸マンションを借りた場合、家賃に対する消費税は非課税となります。
一方で貸事務所や貸店舗など事業用物件を借りた場合、家賃に対して消費税が課税されます。
では賃貸マンションを借りて無断で自宅サロンを開業された場合、これは当然家賃に対して消費税を支払っていない訳ですから”仕入れ税額控除”が出来ません。
仕入れ税額控除とは? 確定申告において、課税売上に対する消費税から課税仕入れにかかる消費税を控除する仕組みです。
なお詳しくは国税庁の消費税基本通達6-13-8をご参照ください。
確定申告ソフトなどで家賃を入力すると、家賃分が勝手に税込仕入れで処理されてしまいうため注意が必要です。
なお消費税法上における個人事業主「事業者」とは、対価を得て行われる資産の譲渡等を繰り返し継続かつ、独立して行う事を言います。
つまり自宅サロンと言っても、施術に対して対価を貰わず無償で行なう場合や、継続性がない施術行為、ばお友達を呼んで1度限り施術する場合などは事業とは言いません。
その場合は大家さんとの賃貸契約上の問題や、消費税法上の問題をクリア出来る可能性があります。
賃貸物件で自宅サロン開業→消防法の問題
新しく店舗や事務所等のお店を開店した場合、建物の使用開始前に「防火対象物使用開始届出書」をその地域を管轄する消防署へ提出する義務があります。
提出時には、消防職員によって消防法上の問題点がないかチェックを行います。
しかしアパートやマンションで自宅サロンを開業した場合、それらの建物は消防法上「店舗営業」するために必要な設備要件を満たしていない可能性があります。
その場合には当然、消防署は営業を行う事を認める事はありません。
賃貸物件で自宅サロン開業→建築基準法上の問題
建築基準法では、建物の使用用途に応じて建築基準(建物の仕様)が変わります。
例えば同じ建物でも、住居として利用するのか店舗として利用するのか、倉庫や車庫として利用するのかなどにより建築基準が変わります。
そのため賃貸マンションや戸建住宅などで自宅サロンを開業する場合、建築基準法上の制限が生まれる可能性があります。
具体的にはエステサロンなどのサービスを提供する店舗は分類コード08460となり、住居とは異なる建築基準(仕様)で建物を建築する必要があります。
これは現在住んでいる賃貸マンションやアパートで、週末だけ自宅サロンとして開業する場合でも同様です。
継続して事業を行う限り、建物または内装設備が店舗としての建築基準(仕様)を満たしている必要があります。
正直、自宅サロンを開業する際にここまで法律を気にする方も少ないと思います。
しかし法律上、問題が生じる可能性がある事は理解しておいて下さい。
戸建・分譲で自宅サロン開業→用途地域の問題
賃貸ではなく、自分が所有する分譲マンションや戸建住宅で自宅サロンを開業する場合の問題点について整理します。
まず自己所有の分譲マンションで自宅サロンを開業したい場合、管理組合の管理規約により営利目的の事業をマンション内で行う事が制限されている場合があります。
事前に管理組合に対して、自宅サロンとして営業が行えるのか確認を取る必要があります。
次に戸建住宅で自宅サロンを開業したい場合、管理組合がないから問題ないという訳ではありません。
都市計画法という法律に基づき、特定の地域ごとの土地の”利用用途”を定めた法律があり、それにより行える商売に制約が設けられています。
詳しくは下記をご参照ください。
美容室・エステ・ネイル・鍼灸院・整骨院の用途地域・建築基準法・消防法ガイド!
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賃貸マンションで自宅サロンを開業する方法
自宅サロンを賃貸マンションで開業する場合、賃貸借契約や法律上多くの問題があることを説明しました。
それでも賃貸マンションで自宅サロンを開業出来れば、一般的な貸店舗物件を借りる場合に比べて初期費用や毎月の家賃が大幅に安く済みますよね。
また賃貸マンションを店舗として利用できれば、内装費用も抑える事が可能になりますよね。
そこで賃貸マンションを自宅サロンとして合法的に開業する手段は、SOHOタイプと呼ばれる賃貸マンションで自宅サロンを開業する事です。
SOHOタイプの賃貸マンションとは、内装設備が住居仕様なのに店舗契約や事務所契約が可能な賃貸物件の事です。
最近のSOHOタイプの賃貸マンションは基本的に商業エリアに多くあり、デザイナーズ物件と呼ばれるおしゃれな内装の物件も多くあります。
また、そういった物件なら新たに内装工事を施さなくても、そのままの状態ですぐにでも自宅サロンとして開業することが可能です。
そんなSOHOタイプの賃貸マンションで自宅サロンの開業可能な物件を探すならDOOR賃貸がオススメです。
DOOR賃貸ならスーモ、マイナビ、アパマンなど大手賃貸物件検索サイトをまとめて検索可能です。
そのなかでもSOHO物件特集があるので、賃貸マンションで自宅サロン開業にぴったりな物件が簡単に探せますよ。
※SOHOタイプの賃貸マンションでも事務所はOKだけど店舗は不可の場合もあります。
自宅サロンの開業手続き!カード決済を導入しよう
自宅サロンの開業に合わせて、クレジットカード決済の導入も行いましょう。
サービス名 | |||
決済端末 | |||
決済端末価格 | 4,980円~ | 19,800円 | 19,800円 |
月額料金 | 0円 | 0円 | 0円 |
決済手数料 | 3.25%VISA/Master | 3.24% VISA/Master | 3.24% VISA/Master |
入金サイクル | 最短 翌日 | 月6回 | 最短 翌日 |
その他の決済 | PayPay決済・交通系対応 | PayPay決済・交通系対応 | 交通系対応 |
備考 | 端末価格4980円 | 端末実質無料 | 端末無料 |
個人で自宅サロンを開業した場合でも、手軽にクレジットカード決済を導入する事は可能です。
なおクレジットカード決済は規約上、都度払い(当日分を当日払い)にしか対応していません。
そこで回数券の販売などをされたい場合はsquareがおススメします。
Squareは、スマホ決済(モバイル決済)大手3社の中で唯一、コースメニューや回数券販売にも対応しています。
まとめ
以上”自宅サロン(プライベートサロン)を賃貸物件で違法なく開業する方法!営業許可や手続” はいかがでしたか?
賃貸マンションの一室で自宅サロン(別名:おうちサロン・プライベートサロン)を無断で開業した場合、多くのトラブルを生む可能性がある事がわかったかと思います。
しかし賃貸マンションで自宅サロンを開業される方が、意図せず法律を破ってしまうケースが後を絶ちません。
お友達など限られた範囲で施術を行う程度なら問題ないかもしれませんが、本格的に不特定多数の方に対して集客を行いたい場合は、法律内容を確認される事をオススメします。
また各種法律などの見解では1週間連続でお店をする場合と、週末だけお店をする場合でも区別はありません。
まずはしっかりリスクを把握した上で、自宅サロンの開業について検討していく事が重要です。
自宅サロン(プライベートサロン)の開業ガイド!物件探し・開業資格
こんにちは、長井 達也です。 今回は、”自宅サロン(プライベートサロン)の開業ガイド!物件探し・開業資格”です。 自宅サロンとは、自宅の一部又は賃貸マンション等を借りて施術を行うサロン店舗の事を言いま ...
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自宅サロン(プライベートサロン)の具体的な開業については上記もご参照下さい。
ポイント
- 自宅サロンを賃貸マンションで開業する場合、大家さんの許可が必要。
- 自宅サロンを賃貸マンションで許可なく開業した場合、違法かつ契約違反になります。
- 自宅サロンを賃貸マンションで開業した場合、消費税の問題が発生します。
- 自宅サロンを賃貸マンションで開業した場合、建築基準法上・消防法上の問題が生じる場合も。
- 自宅サロンを賃貸マンションで開業したい場合、現実的にはSOHO物件が無難。