こんにちは、長井 達也です。
今回は、あはき柔整プラン(ホットペッパービューティー)攻略ガイド!鍼灸師・柔整師必見!です。
これまでは、ホットペッパービューティーでは鍼灸師や柔道整復師の国家資格が必要な施術メニューを掲載出来ませんでした。
しかし、2023年11月号から「あはき柔整プラン」が新たにリリースされ、有資格者による実費治療も掲載できるようになりました。
既に「あはき柔整プラン」を検討している鍼灸師や柔道整復師の方も多いと思いますが、気になるのは「あはき柔整プランで集客できるのか?」という点ではないでしょうか?
確かに、ホットペッパービューティーを小規模な個人院でも導入すべきなのか、その集客効果はどの程度なのかなど、判断材料が乏しい状況です。
そこで、今回は「あはき柔整プラン」を検討されている鍼灸師や柔道整復師の皆さんに向けて、
- ホットペッパーの戦略について
- ホットペッパーの媒体特徴
- ホットペッパー「あはき柔整プラン」に適している鍼灸師・柔道整復師
- ホットペッパー「あはき柔整プラン」の活用方法
などについて、詳しく解説します。
ホットペッパービューティーの戦略について
鍼灸師や柔道整復師で、「あはき柔整プラン」の導入を検討されている方に向けて、ホットペッパーの媒体の概要から解説します。
今回、株式会社リクルートホールディングスが運営するホットペッパービューティーの新しいカテゴリーとして、「あはき柔整プラン」が誕生しました。
なお、リクルートでは現在、ホットペッパービューティーを介して、クレジットカード決済のAirペイとAir ビジネスツールズ(POSレジや予約機能等)の売上拡大に力を入れています。
これは、決済・金融分野で競争力を維持するため、楽天経済圏やYahoo経済圏(例:PayPay)と競り合う必要があるからです。

しかし、今後もホットペッパービューティーを通じて、AirペイとAir ビジネスツールズの売上を拡大していくためには、美容系(美容室・エステなど)だけでは限界がありますよね。
そこで今回「あはき柔整プラン」を導入し、美容系以外の分野にも展開していく必要性があったのだと思います。
クレジットカード決済の収益額は?
1,Hot Pepper Beautyの年間予約金額を8,000億円と仮定。(1.6億件の予約件数×想定客単価5,000円)
2,8,000億円のうち3割をクレカ決済とした場合、カード売上は2,400億円。※1経産省データより
3,2,400億円×決済手数料3.24%=77.76億円
4,77.76億円のうち、VISAの原価を1.5%(36億円)とした場合、41.76億円の利益になります。
あはき柔整プランリリースのタイミング
鍼灸師や柔道整復師で、不思議に思われている1つに「あはき柔整プラン」が何故、今リリースされたのかという点はないでしょうか?
御存知の通り、あはきの広告規制は厳しく、直近で法律が緩和されたという事はありません。
これは1つに、クレジットカード決済のAirペイとAirビジネスツールズの売上拡大が必要であった点があります。
しかし、それなら以前から「あはき柔整プラン」が導入されていても不思議ではありませんよね。
そこで1つの仮説として、「ホットペッパービューティーへの回帰」が考えられます。
まず、コロナ前からInstagramやTwitterなどのSNSの影響力が拡大し、顧客が「お店」から「個人」に所属する傾向が強くなりました。
施術者の間ではセルフブランディングという言葉も広まり、フリーランスの受け皿となるシェアサロンが多数誕生、ミニモのような「個人集客」に焦点を当てた集客媒体も人気となりました。
一方、「店舗集客」を得意とするホットペッパービューティーは「個人集客」という世の中のトレンドに苦しむ事になります。
実際、美容室チェーン大手TAYAなどは2021年に全国117店舗の内、33店舗を一度に閉店するなど、少子高齢化、アシスタント制度、大箱サロンというレガシーなビジネスモデルの問題点が顕在化する事になります。
しかし、多くの施術者がSNSを活用し始めると情報量が飽和し、消費者は大量の情報の中から自分が欲しい情報を見つけ出すことが難しくなり始めます。
さらに、インフルエンサーの登場で日々大量のステマ(ステルスマーケティング)が発信され始めると、情報の価値や正確性が失われはじめました。
それらの結果、多くの口コミから正しい情報を探したいというニーズを満たすため、ホットペッパービューティーへの回帰が始まった、まさに「今」が絶好のタイミングだと言えるのではないでしょうか。
ホットペッパーの媒体特徴
ホットペッパービューティーは、ヘアサロン、ネイルサロン、リラクゼーション、エステサロンなど美容系のサロンを検索・予約できる日本最大級のクーポンサイトです。
年間の予約件数はなんと16,500万件以上で、その内訳は美容室が1億件以上、エステ・リラクゼーションで6500万件以上です。
主な利用者は20~30代の女性が80%を占めており、そのうちの半数が働いている方で、残りは主婦や学生の方が多くなっています。
次に、自分の店舗をホットペッパービューティーに掲載するには、掲載料金の他に2%(ポイント原資)を支払う必要がありますが、それによって新規顧客の獲得とネット予約の受付が可能になります。
今回の「あはき柔整プラン」の掲載料金については、地域によって異なるかもしれませんが、年間40万円程度(ワンプライス)と推測されます。
「あはき柔整プラン」に適している鍼灸師・柔道整復師の条件
「あはき柔整プラン」に適している鍼灸師・柔道整復師の条件ですが、これは媒体特徴と施術者さんの特徴から判断する必要があります。
ポイント
・20~30代の女性を集客したい方
・20~30代の女性受けする施術メニューがある方
・商業地や駅前・オフィス街に近いエリアに出店している方
・女性の失客率が悪くない方(身だしなみに配慮できる方)
・2名以上の施術者がいる方
・チェーン展開されている方
・1階路面店または店内の雰囲気が外から見える施術所
・口コミ・レビューに対し真摯に返信出来る方(文才含め)
・「あはき柔整プラン」の掲載店舗が少ないエリア
・女性施術者である事
以上の項目に対して、多く該当している方は「あはき柔整プラン」で良い結果が得られる可能性があると言えるのではないでしょうか。
少し話が脱線しますが、美容室ではオーナーを除いて30代後半以降の男性スタイリストを見ないのは、その多くが運送会社などに転職しているためです。
理由は明白で、女性のお客様は年齢が高いスタイリストに触れられたくないため、指名が取れなくなる(=生活できない)方が増えてくるためです。
身だしなみに気をつけている男性美容師さんですら、30代後半を境に失客する現状を踏まえ、鍼灸師で美容鍼灸に特化したいという理由だけで「あはき柔整プラン」を検討するのは危険です。
一方、柔道整復師も同様で骨盤矯正や小顔など、女性向けに特化したいから「あはき柔整プラン」を導入するというのでは非常にリスキーだと思います。
「あはき柔整プラン」のリスクと懸念
ホットペッパービューティーは、年間予約件数が1,6500万件以上(美容室が1億以上、エステ・リラクゼーションで6500万件以上)という巨大なマーケットです。
しかし、ホットペッパービューティーのメルマガやホームページを見れば分かりますが、レコメンドエンジンが非常に脆弱です。

そのため、年間予約件数1,6500万件以上という巨大なマーケットは存在しているものの、そこから「あはき柔整プラン」の掲載店舗へ見込客を上手に誘導してくれるのかは不透明です。
次に、「あはき柔整プラン」がホットペッパービューティーとして成功を収めた場合の展望も考えてみたいと思います。
以前、ホットペッパービューティーには毎月の掲載料金が1万円のプラン(通称EPRP)がありました。
ネイルサロン、リラクゼーション、エステサロンなど多くの小規模サロンに支持されていましたが、2019年4月の掲載号から2.5倍となる25,000円に値上げされました。
実は、このような急激な掲載料金の値上げはこれまでも、ホットペッパーでは繰り返し行われています。
絶妙な価格設定で多くの掲載店舗を獲得し、ある程度集まった段階で値上げして離脱店を生み出すという行為です。
値上げで離脱した店舗は、ホットペッパー経由の新規顧客だけでなく既存顧客もホットペッパーの予約システムに登録される(=リクルート会員)ため、顧客情報がホットペッパー側に吸い上げらてしまいます。
その結果、掲載料金の値上げに耐えられる、チェーン展開している有力店舗に顧客がより集まりやすい結果に繋がることが予想されます。
「あはき柔整プラン」の活用方法
ホットペッパーに限らず、広告媒体を利用するということは、媒体に対して効率な運用について考える必要があります。
つまり今回の「あはき柔整プラン」を導入したいのであれば、それに最適化されたビジネスモデル(出店要件・施術内容・価格設定・販促等)である必要があります。
具体的には、商業エリアや駅前近くに開業している女性施術者にとっては非常に魅力的なプランだと言えます。
一方、男性施術者でも「あはき柔整プラン」を導入するなら、チェーン展開を含め野心的な方で積極的な拡大思考である下地が必要だと思います。
つまり、一人での開業に拘らず、多くの仲間、チームで考えるという事が「あはき柔整プラン」の勝ち筋と言えるかもしれません。
これは将来、掲載料金の値上げ等が発生した場合でも、問題を解決しやすいからです。
そのためには、独立開業スタイルとして施術ベッドが1台しか置けない家賃10万円の物件ではなく、個室2つで13万円の物件を探す様なタイプである必要があります。
なお日本の雇用制度で最大の問題点が首を切れない事と言われていますが、”雇用”に拘らず、業務委託やなど他にも複数の選択肢があるはずです。
その上で、鍼灸師なら「美容鍼灸」メニューを強化する、柔道整復師なら「小顔・骨格矯正」など、女性客をターゲットにしたメニュー構成が重要になります。
まとめ
以上、”あはき柔整プラン(ホットペッパービューティー)攻略ガイド!鍼灸師・柔整師必見!”はいかがでしたか?
実際に「あはき柔整プラン」がリリースされてみないと、分からない事も多いと思いますが、とにかく大事なのは運営しながら色々試していく事です。
そのためにも、仲間、チームで挑める鍼灸院、整骨院には適していると思います。
個人院でも導入して結果がでない訳ではないと思いますが、顧客獲得コストの算出など数値管理が出来るなど、施術、接客以外のスキルも必要です。
ポイント
・ホットペッパーは3500万アカウント・年間予約件数が1,6500万件以上の巨大マーケット
・ホットペッパーのメインユーザーは20~30代の女性
・あはき柔整プラン導入するなら、美容鍼や小顔矯正などの施術メニューが必要。
・あはぎ柔整プランは、女性施術者が有利。