こんにちは、長井達也です。
今回は「コワーキングスペースを併設したフィットネスジムのつくり方!」についてお話しします。
リモートワークの普及とともに、働く場所や環境が多様化しています。そんな中、健康やフィットネスにも気を使いたいと思っている方は多いのではないでしょうか?
このニーズに応えるために、私が提案するのは「コワーキングスペースを併設したサブスク型フィットネスジム」です。
一見、「フィットネスジム」と「コワーキングスペース」は無縁に思えるかもしれませんが、実は相性抜群の組み合わせです。
理学療法士の新たな挑戦
高齢化社会の中、理学療法士は高齢者の運動機能の回復や生活の質の向上(QOL)に貢献する重要な存在です。
しかし、診療報酬制度の制約から、頑張りが給与に反映されにくいという現実があります。
そこで、多くの理学療法士が独立を考えていますが、医師の指示なしには理学療法を行えないため、開業権がないのが現状です。
この課題を解決する方法として、コワーキングスペースとフィットネスジムを組み合わせた新しいビジネスモデルを提案します。
これにより、理学療法士としての知識や経験を生かしつつ、独立開業が可能になります。
- 差別化ポイント: 多くのコワーキングスペースが「ワークスペース」に特化している中で、健康やウェルネスを取り入れることで差別化が図れます。リモートワーカーにとって、仕事の合間に運動ができる環境は大きな魅力です。
- サブスクリプションモデル: 定額利用料に施術やジムの利用料を含めることで、経費計上がしやすくなります。リモートワーカーにとっても、定額制は予算管理がしやすいという利点があります。
- コミュニティ形成: コワーキングスペースとフィットネスジムの融合は、独自のコミュニティを形成しやすく、特定の顧客層を引き寄せます。リモートワーカー同士の交流も生まれ、新たなビジネスチャンスが広がるかもしれません。
実現へのステップ
それでは、具体的に理学療法士がコワーキング併設のジムを開業・運営するための方法について解説していきます。設計から運営まで、必要なステップを詳しくお伝えしますので、ぜひ参考にしてみてください。
コワーキングスペースで働きながら、健康も維持できる新しい働き方を実現しましょう。これが、あなたのライフスタイルをより豊かにし、仕事の効率も向上させる一助となるはずです。
コワーキングとは?
まず、コワーキングについて説明いたします。
コワーキング(Coworking)とは、その名の通り「共同作業」という意味を持ち、異なる職種や組織の人々が共通の作業スペースで働きながら、アイデアや経験を共有し、協力し合う働き方スタイルを指します。
料金体系は、1ヶ月単位の利用プランや、必要に応じて利用できるドロップイン(時間貸し)を提供しているコワーキング施設もあります。
コワーキングスペースの主要な機能は、仕事をするための共同作業スペースを提供することです。机や椅子、電源、高速インターネット接続など、仕事を行うために必要な基本的な設備が整っています。
ソフト面では、ワークショップ、セミナー、イベントなども定期的に開催され、メンバー同士の交流を促進するイベントや「コミュニティ」が重要視されています。
ちなみに、日本で最初に誕生したコワーキングスペースは、神戸の「カフーツ」とされており、コワーキングの5つの大きな価値やコワーキング曼荼羅などを提案しています。
コワーキングの5つの価値
・Accessibility(つながり)
・Openness (シェア)
・Collaboration (コラボレーション)
・Community (コミュニティ)
・Sustainability (継続性)
既存コワーキングの課題は?
コワーキングスペース業界では、「WeWork」や東急が運営している「ビジネスエアサポート」などが有名です。
しかし、これらはコワーキング本来の意味(アイデアや経験を共有し、協力し合う)からすると、単に「ワークスペース」や「シェアオフィス」と呼ばれる場所に過ぎません。
賃料の安い上層階でコーヒーを飲みながら仕事ができる「ワークスペース」を省人化して運営すれば、1階路面のスターバックスよりも収益性が高いだろうと不動事業者の思惑が透けて見えます。
もちろん、黙々と仕事をする人にとっては便利な場所ですが、面積あたりの収益性を基準にしたビジネスモデルを[コワーキング]としてミスリードしている状況です。
結果、地方でも都市部のビジネスモデルを真似ようとする動きがありますが、労働人口が少ない地方では「場所貸しビジネス」が簡単には成立させることが難しいのが現実です。
つまり、コワーキングには人と人とを結びつける、コワーキングマネージャーの存在が必要不可欠と言えます。
コワーキング併設ジムの可能性
例えば診療報酬制度下では、理学療法士(PT)が実施できるリハビリーテーション単位は、1日あたり最大24単位(
また患者さん一人あたりに対し、定められた時間しか介入出来ません。
そのため、患者さんと向き合い、もっと自由に介入したいと考えた場合、コワーキング併設のフィットネスジムは理想的な環境です。
まず、コワーキングスペースの主な利用者は、プログラマー、デザイナー、ライターなど、長時間椅子に座ってデスクワークを行う方です。
長時間座るほど、死亡リスクは高まるというのは最近よく目にすると思いますが、やはり圧倒的に運動量が足りておらず、ジムの見込客が身近に生まれるという状況です。
実はこのようなビジネスモデルは、大阪の会員制シェアジム&オフィス『シェアリングジム・アンカレッジ』さんなどで実現されています。
面白いのは、パーソナルトレーナー(おそらく業務委託)も募集しており、そちらの売り上げも期待できる点です。
最近は、チョコザップでもワークスペースを設置したり、ネットカフェなどでも『仕事・フィットネス』という組み合わせで展開しているところも増えています。
また、コワーキングは仕事だけでなく学習スペース(自習室)としても機能するため、多くの顧客を集客できる可能性があります。
運動しながらの勉強したほうが記憶が定着しやすいことで下記のような商品が販売されている通り、勉強とフィットネスというのも面白い組み合わせだと思います。
コワーキング併設ジムの開業手順
コワーキング併設のフィットネスジムを開設する場合の流れについて整理します。
開業届の提出
個人で、コワーキング併設のフィットネスジムの開業準備を始めたら、税務署に開業届の提出が必要です。
開業届とは個人で新たにお金を生む仕事を始めたら、開業から1カ月以内に税務署に提出が必要な書類の事です。
つまり個人で整骨院を開業したら、自動的に個人事業主となり税務署に開業届の提出が必要となります。
なお開業届の作成については、簡単な質問に答えるだけで無料で開業届が手軽に作れる、freee開業と言うサービスがおすすめです。
物件選定
コワーキング併設のフィットネスジムを開業するために、物件選定が必要です。
なお日本の賃貸物件は、「店舗」「事務所」「店舗・事務所」などに分類されていますが、コワーキング併設のフィットネスジムを開業するには「店舗または店舗事務所」から選択する必要があります。
これは、事務所ビルと店舗ビルでは消防法や建築基準法上の制限が異なるためです。
次に、パーソナルジムで重量のあるトレーニング機器を設置したい場合には、床荷重に注意が必要です。
建築基準法により、事務所ビルなどであれば、1平米あたり最低2900N(約300kg)まで載せることが出来る様には設計されていますが、トレーニング器具によってはそれらを超える場合もあるからです。
また二階以上の木造物件等であれば、それよりも低い床荷重にしか対応していない場合もあります。
最後に賃貸借契約書には必ず、賃貸人(貸主)から物件を借りた賃借人(借主)が、第三者に又貸しする事を転貸(転貸借)する行為を禁止する旨の記載があります。
この点を突かれて、契約審査に落ちる場合もあるので、コワーキングスペースの利用者とは、賃貸借契約(=転貸)ではなく、あくまで一時使用の賃貸借になる事を説明する必要があります。
コワーキング併設のフィットネスジムの運営方法
コワーキング併設ジムを運営する場合、スペースの運営とあわせて、パーソナルトレーナー等としても対応が必要になるため省力化・省人化が重要になりますよね。
そこで、入退室管理・継続課金に対する決済機能・集客方法について説明します。
コワーキングの入退室管理
利用者の利便性を考えると、毎日営業が必要になるため無人管理でも運営できる体制が重要です。
そこで、スマートロックの導入が必須です。
スマートロックとは、物理的な鍵ではなく、スマホアプリやNFC(近距離無線通信)などを駆使してドアの解錠を行う事ができるツールです。
オススメとしては、SwitchBotやセサミ4という商品が有名です。※国産ではQRIOなどもありますが20ユーザーが上限となります。
コワーキングの継続課金(サブスク)方法
コワーキング併設のフィットネスジムの料金体型を継続課金(サブスク)とする場合、毎月自動的に請求、決済できる仕組みがあれば便利ですよね。
そこでオススメするのは、店頭のクレジットカード決済も可能な、Squareです。
SquareならWEB上から最初に設定すれば、毎月の請求書の自動発行や、支払い前日のリマインダーなどの便利機能など、めんどうな請求業務を大幅に削減します。
また、一番のメリットは決済手数料以外には、毎月の固定利用料等もなくサブスク課金を導入できる点です。
コワーキングの集客方法
コワーキング併設のフィットネスジムの認知度アップを図るには、ポータルサイトへの登録というのも1つの方法です。
サービス名称 | ドロップイン | team-place |
運営母体 | NTTコミュニケーションズ株式会社 | 株式会社AnyWhere |
受取額 | 利用料の70%(30%が手数料) | 利用時間× TeamPlaceが設定した単価 |
その他、Jelly(ジェリー)の開催を行うというのも1つの方法です。Jellyとは、コワーキングスペース内で開催するイベントを指します。
例えば、確定申告時期にみんなで集まり会計ソフトに入力作業を行うといった、カジュアルなイベントを多く開催するのがポイントです。
まとめ
今回の「理学療法士さん必見!コワーキングスペースを併設したフィットネスジムのつくり方!」は、いかがでしたでしょうか?
最近では、チョコザップさんが「サービスのコンビニ化」を進め、フィットネスジム、ワークスペース、セルフエステ、マッサージチェアなどを提供して、1000店舗以上展開しています。
理学療法士さんも自分の領域だけでなく、二足のわらじ以上のビジネスモデルに挑戦することが、個人経営の生き残り策として重要になるのではないでしょうか。