柔道整復師さん必見！コワーキングスペースを併設したサブスク整骨院のつくり方！

こんにちは、長井達也です。

今回は、「柔道整復師さん必見！コワーキングスペースを併設したサブスク整骨院のつくり方！」です。

高齢化社会を迎える日本で、これからも需要が見込まれる職種として、「柔道整復師」の国家資格を取得された方も多いのではないでしょうか。

しかし、柔整療養費は下降を続けており、独立開業者の多くは実費治療に活路を見出す必要があるのが現実です。

現在、独立を考えている柔道整復師の中にも、「実費治療で安定的に売り上げる方法は？」「他院と差別化する方法は何か？」と悩んでいる方は多いのではないでしょうか？

確かに、小顔矯正や骨盤矯正などの実費治療に取り組む柔道整復師もいますよね。

ただし、ホットペッパーから「あはき柔整プラン」が登場し、今後はチェーン店がスケールメリットを生かす事で価格競争が生まれ、個人院は苦境に陥る可能性もあります。

そこで今回提案するのが、「コワーキングを併設したサブスク整骨院」です。

一見「整骨院」と「コワーキング」の組み合わせは、何の関係もないように思われるかもしれませんが、他のコワーキング運営者から見れば大きな脅威です。

それは、多くのコワーキングスペースが「ワークスペース」と化している中、健康やウェルネスを取り入れた「コワーキングスペース」は利用者にとって魅力的だからです。

さらに、ビジネスモデルのキモとなるのが、スペースの定額料金（サブスクリプション）に、ドリンク飲み放題と同様に施術受け放題も含めてしまうという事です。

こうすれば、コワーキング利用者も施術代金をスペース利用料（勘定科目でいうと、支払い手数料や賃借料）として経費計上がしやすくなりますよね。

整骨院としても、コワーキングスペースを併設することで、チェーン店など他院と競合することなく特定の顧客層を引き寄せ、独自のコミュニティを形成できます。

少数の顧客と強い結びつきを持つファンベースを構築できれば、それだけで生活基盤を築ける可能性が高まりますよね。

それでは具体的に、柔道整復師さんがコワーキング併設の整骨院を開業・運営するためのの方法について詳しく解説していきます。

コワーキングとは？

まず、コワーキングについて説明します。

コワーキング（Coworking）の「Co」は「共同」という意味で、異なる職種や組織の人々が共通の作業スペースで働きながら、アイデアや経験を共有し協力し合うワークスタイルを指します。

料金体系は、１ヶ月単位や、ドロップイン（時間貸し）を用意しているコワーキング施設もあります。

ちなみに、日本で最初に誕生したコワーキングスペースは、神戸の「カフーツ」とされており、コワーキングの5つの大きな価値やコワーキング曼荼羅などを提案しています。

次に、コワーキングスペースの機能としては、フリーデスク、高速インターネットなど基本的なオフィス設備と、フリードリンク・共有キッチンなどが提供されます。

ソフト面では、ワークショップ、セミナー、イベントなども定期的に開催され、メンバー同士の交流を促進するイベントや「コミュニティ」が重要視されています。

長井

IFRS（国際会計基準）の変更により、賃借料を経費ではなく「資産計上」する必要が生じました。そのため通常のオフィスを解約し「利用料」として使用できる、WeWorkの様なフレキシブルオフィスを利用したいというニーズが生まれました。

既存コワーキングの課題は？

コワーキングスペース（Coworking）業界では、「WeWork」や東急が運営している「ビジネスエアサポート」などが有名です。

しかし、コワーキング本来の主旨（アイデアや経験を共有し、協力し合う）からすると、これらはコワーキングではなく「ワークスペース」や「シェアオフィス」と呼ばれるものになります。

賃料の安い上層階でコーヒーが飲める「ワークスペース」を作れば、スターバックスより１席あたりの収益性が高いだろうという不動産的な発想が含まれています。

もちろん、ワークスペースで黙々と仕事をしたいというニーズはありますが、面積あたりの収益性だけで算出されたビジネスモデルが、金太郎飴のように乱立していることが問題です。

さらに、地方も都市部のビジネスモデルを真似ようとしますが、労働人口の少ない地方ではなおさら「場所貸しビジネス」が簡単には成立しないのが現状です。

つまり、コワーキングには人と人とを結びつける、コワーキングマネージャーの存在が必要不可欠と言えます。

コワーキング併設整骨院の可能性

コワーキングスペースの主な利用者は、プログラマー、デザイナー、ライターなど、長時間椅子に座って作業するフリーランスの方々です。

彼らは長時間椅子に座ってデスクワークを行うため、肩こりや腰痛など、柔道整復師が得意とする疾患が生まれやすい環境にいることが一般的です。

そこで、こういったコワーキングスペースで、１ヶ月の利用料に施術代も含めてしまう（※１）というのが、このビジネスモデル最大のポイントです。

つまり、柔道整復師による施術代金を、ドリンク飲み放題と同様に、サブスクリプション費用として一括して「賃借料」として徴収を行います。

結果、利用者は施術代金も賃借料として経費処理できる様になります。

これであれば、月額費用を３～５万円程度の料金設定にしても勧誘しやすく、10～30人の顧客を獲得するだけで損益分岐を突破することが可能になります。

また、地方で賃料が安いエリアでは、フィットネスジムなども併設する事でダイエットなどトータルケアしていくで、さらに面白い展開に出来ると思います。

長井

※費用計上については、税務署の判断で否決される場合もあります。そのためにもロジックが重要です。

コワーキング併設整骨院の開業手順

個人でコワーキング併設整骨院を開設する場合、一連の流れは下記の通りです。

さらに、ここからは個々の手続きについて詳しく説明します。

開業届の提出

個人でコワーキング併設整骨院の開業準備を始めたら、税務署に開業届の提出が必要です。

開業届とは個人で新たにお金を生む仕事を始めたら、開業から1カ月以内に税務署に提出が必要な書類の事です。

つまり個人で整骨院を開業したら、自動的に個人事業主となり税務署に開業届の提出が必要となります。

なお開業届の作成については、簡単な質問に答えるだけで無料で開業届が手軽に作れる、freee開業と言うサービスがおすすめです。

物件選定

個人でコワーキング併設整骨院を開業するために、物件選定が必要です。

なお日本の賃貸物件は、「住居」「店舗」「事務所」「店舗・事務所」「倉庫」などに分類されており、コワーキング併設整骨院するには「店舗または店舗事務所」から選択する必要があります。

これは、事務所ビルと店舗ビルでは消防法や建築基準法上の制限が異なるためです。

次に、賃貸借契約書には必ず、賃貸人（貸主）から物件を借りた賃借人（借主）が、第三者に又貸しする事を転貸（転貸借）する行為を禁止する旨の記載があります。

この点を突かれて、契約審査に落ちる場合もあるので、コワーキングスペースの利用者とは、賃貸借契約（＝転貸）ではなく、あくまで一時使用の賃貸借になる事を説明する必要があります。

長井

一時使用賃貸借であれば、ネットカフェと同じく、利用者に対して借地借家法が適用されないため、施設側の都合で契約終了がスムーズに行えます。

内装プラン策定

個人でコワーキング併設整骨院を開業するために、保健所への施術所開設届出書が必要になるのですが、この届出審査をクリアするのに重要なのが構造設備基準です。

構造設備基準とは、柔道整復師法施行規則第１８条により規定されている、整骨院の開業に求められる設備スペックです。

この構造設備基準を満たさないと、保健所の検査で許可が出ず整骨院を開業する事が出来ません。

つまり、物件を選定する際にも構造設備基準を満たす事が出来るかを判断する必要があります。

なお整骨院併設のコワーキングを運営するには、構造設備基準の区画とは別に、ワークスペースを設置する必要があります。

待合部分をワークスペースと兼ねるのは審査がおりない可能性があります。

保健所に事前相談・届け出提出

個人でコワーキング併設整骨院を開業する場合、管轄する保健所（名称は都道府県により保険局や、医療衛生センター、衛生監視所など様々）に、施術所開設届出書 の提出を行います。

コワーキング併設整骨院の運営方法

コワーキングを併設したサブスク整骨院をひとりで運営する場合、スペースの運営とあわせて、施術も行う必要があるため省力化・省人化が重要になりますよね。

そこで、入退室管理・継続課金に対する決済機能・集客方法について説明します。

長井

大箱のコワーキングで、ドロップイン（時間貸）も行う場合は、入退室管理から決済、集客のポータル機能まで提供しているfixU（月額５万円～）などがあります。

コワーキングの入退室管理

利用者の利便性を考えると、毎日営業が必要になるため無人管理でも運営できる体制が重要です。

そこで、スマートロックの導入が必須です。

スマートロックとは、物理的な鍵ではなく、スマホアプリやNFC（近距離無線通信）などを駆使してドアの解錠を行う事ができるツールです。

オススメとしては、SwitchBotやセサミ４という商品が有名です。※国産ではQRIOなどもありますが２０ユーザーが上限となります。

コワーキングの継続課金（サブスク）方法

コワーキングを併設したサブスク整骨院の料金体型を継続課金（サブスク）とする場合、毎月自動的に請求、決済できる仕組みがあれば便利ですよね。

そこでオススメするのは、店頭のクレジットカード決済も可能な、Squareです。

SquareならWEB上から最初に設定すれば、毎月の請求書の自動発行や、支払い前日のリマインダーなどの便利機能など、めんどうな請求業務を大幅に削減します。

また、一番のメリットは決済手数料以外には、毎月の固定利用料等もなくサブスク課金を導入できる点です。

コワーキングの集客方法

コワーキングを併設したサブスク整骨院の認知度アップを図るには、ポータルサイトへの登録というのも１つの方法です。

その他、Jelly（ジェリー）の開催を行うというのも１つの方法です。Jellyとは、コワーキングスペース内で開催するイベントを指します。

例えば、確定申告時期にみんなで集まり会計ソフトに入力作業を行うといった、カジュアルなイベントを多く開催するのがポイントです。

まとめ

上記の「柔道整復師さん必見！コワーキングスペースを併設したサブスク整骨院のつくり方！」は、いかがでしたでしょうか？

2040年には、日本の人口は激減し、多死時代を迎えることが、人口動態の統計から確定しています。その時点で、医療保険制度は今と同じクオリティーを維持できないでしょう。

したがって、保険治療と決別し、実費治療にできるだけ早く取り組むことが重要だと考えられます。

最近では、チョコザップが「サービスのコンビニ化」を進め、フィットネスジム、ワークスペース、セルフエステ、マッサージチェアなどを提供して、1000店舗以上展開しています。

つまり、整骨院もコンビニ化を図り、二足のわらじ以上のビジネスモデルに挑戦することが、個人経営の柔道整復師として生き残る方法になるのではないでしょうか。