こんにちは、長井 達也です。
今回は”個室24時間ジム「ハコジム」のビジネスモデル解説!フランチャイズ展開は?”です。
株式会社ハコジムが運営するハコジムは広島市で多店舗展開し、フリーウェイトを推奨する定額制&完全個室のプライベートジムです。
事業を開始後、現在フランチャイズ店を含めて全国で直営15店舗となり今後の出店加速が期待されます。2022年10月27日現在
ハコジムの特徴
・24時間365日利用可能な個室ジム
・月額3,800円~(税別)のサブスク(定額制)
・毎日利用可能(1日あたりの利用は1回60分まで)
・セルフとパーソナル(別料金)の両方が可能
・ダンベル・バーベル・ストレッチ器具を設置
・無人管理(スマートロックなどIOT技術の導入)
・スマートミラーの導入
そこで今回の記事では、
- ハコジムのビジネスモデルとは?
- ハコジムの課題は?
- ハコジムのフランチャイズ展開は?
と言ったハコジムの詳細について、分かりやすく解説していきますね。
ハコジムのビジネスモデルは?
次にハコジムのビジネスモデルですが、「24時間利用可能・サブスクの定額料金・個室フィットネスジム」という表面的なスペックから、類似する形態として「パーソナルジム」・「24時間セルフジム」・「レンタルスペース」が想定出来ますが、実は全く異なります。
ハコジムは、不動産賃貸(シェアリングビジネス)、フリーウェイトジム(コンテンツビジネス)に、パーソナルトレーナー(マッチングビジネス)という3つの要素が相互に依存し合う複合的なビジネスモデルになります。
ハコジム | パーソナルジム | 24時間セルフジム | レンタルスペース | |
運動面積 | 10平米(個室) | 30平米~ | 120平米~ | 25平米~ |
価格 (月額) | 3,800円 平日0-17時 4,800円 24時間365日 | 30,000円~150,000円前後 | 3,980円~10,000円 | 1回2,000円~5,000円 |
対象ユーザー (想定) | ・個人事業主・経営者 ・中級者 | ・個人事業主・経営者 ・短期利用者 | ・初心者 ・中級者~上級者 | ・トレーナー ・中級者 |
特徴 | ・無酸素運動 ・セルフとパーソナルの選択 | ・無酸素運動 ・パーソナルトレーニング | ・有酸素・無酸素運動 ・セルフ | ・無酸素運動 |
ハコジム VS パーソナルジム
パーソナルジムは利用者がトレーナーとマンツーマンでトレーニングを行い、効率的&短期間に結果を求めたい方を対象にしたビジネスモデルです。
主な出店エリアは、オフィス街と住宅街の職住近接エリアで、空中階の比較的坪単価の高い貸店舗に出店される傾向があります。
一方ハコジムは、セルフトレーニングとパーソナルトレーニングの両方が選択可能です。
また一般的なパーソナルジムの出店要件(立地・広さ・スペック)は、マツエク・エステ・美容室などの業態とバッティングしますが、ハコジムならシャワー設備を設置しません。
そのため給排水設備のない物件にも出店が可能という特徴があります。
これは内装費用を抑える事が出来るだけでなく、空室で困っているビルオーナーにとって空き地にコインパーキングを設置するような感覚でフランチャイズに加盟出来る事を意味します。
つまり場所貸しビジネスとしての要素がハコジムにはあります。
ハコジム VS 24時間セルフジム
24時間セルフジムは、希望する時間帯に好きなだけトレーニングを行いたい方を対象にしたビジネスモデルです。
しかし明確な目的意識がなくダイエットや筋トレに対して漠然と取組むユーザーが多く、1年間の契約継続率は56%(RIZAP調べ)とLTVが低い状態です。
そのため新規入会者を獲得のため、継続的に広告予算が要求されるジャンルでもあります。
一方、ハコジムはフリーウェイトに振り切った個室ジムです。
自宅でスペースや設備を構えるのが難しいなどの理由から、明確な目的意識をもった方には最適です。
またパーソナルジムでは料金が高額になりますが、ハコジムなら必要な時にパーソナルトレーニングを依頼できます。
セルフトレーニングとパーソナルトレーニング両方のメリットを組み込んだ、コスパの良いトレーニングが可能、つまり両方の需要を取込む事が出来ます。
さらにスマートミラーでAIトレーナーのガイドを受けながら、自分専用プログラムによるトレーニングも可能です。(※一部未対応店舗あり)
スマートミラーとは? スマートミラーとは、鏡の中にVR動画などを投影する事ができるIOT機器です。美容室やトレーニング等での活用が期待されています。
ハコジム VS レンタルスペース
レンタルスペースは時間単位で利用出来るため、手軽にパーソナルジムを開業されたい方やセルフトレーニングしたい方を対象にしたビジネスモデルです。
このレンタルスペースを言い換えるなら、コインパーキングと同じで自ら利用ニーズを生み出す事が難しい立地ビジネスです。
パーソナルトレーナーさんなどが生み出す集客力に依存したコバンザメ商法になやすい現状があります。
一方ハコジムも、時間単位でトレーニングが出来るシェアスペースであると言えます。
しかし利益構造は異なり、業務委託のパーソナルトレーナーと、そこでトレーニングを行いたい方とを「マッチング」させて「場所」を提供するビジネスです。
つまりハコジムはシェアスペースと異なり、自らニーズを生み出す事が出来ます。
ハコジムのフランチャイズ展開は?
ハコジムでは積極的にフランチャイズ加盟店を募集しています。
ハコジムのフランチャイズに加盟するには、加盟金は150万円、その他出店される店舗面積にもよりますが初期費用として650万円程度が必要になります。
そこでハコジムのフランチャイズ加盟に最適な対象は下記になると思います。
ポイント
・ビルオーナーによる有休不動産の活用
・大箱パーソナルジムの経営者によるコンバージョン
・パーソルトレーナーとして独立を考えている方の集客装置
ハコジムの課題は?
ハコジムのビジネスモデルを考えた場合、ハード面、ソフト面ともにコンテンツビジネスとしては若干の弱さがあるのではないでしょうか。
それを補うためスマートミラーも導入もされていますが、現時点で必要なのは「ファンベースマーケティング」だと思います。
ファンベースとは、商品を軸とするのではなく社内・社外にファン層を構築してマーケティングを行っていく事を言います。
ではハコジムにとって一番のファン層は誰にすべきなのか?それはパーソナルトレーナーさんです。
ハコジムで活躍されているパーソナルトレーナーさんには、利用者から3,480円/1H(税別)を受け取った金額から、2,100円が報酬として支払われています。
これは「りらくる」にも似たビジネスモデル(1時間3,980円の料金に対し、50~60%の報酬)ですが、パーソナルトレーナーさんの頑張り次第で一般利用者のLTVを高めることが出来ます。
つまりハコジムという「シェアスペース」の店子であるパーソナルトレーナーさんの能力を引き出し、相互に協力しあう事がハコジム全体のビジネスモデルを前進させていくことになるのではと思います。
まとめ
以上、個室24時間ジム「ハコジム」のビジネスモデル解説!フランチャイズ展開は?”はいかがでしたか?
ハコジムはパーソナルジムというコンテンツ部分が完全に独立しています。
そのため知識のないビルオーナーなどでも、フランチャイズ加盟しやすいビジネスモデルとなっています。
また一般的にフィットネスジムの家賃比率は20%と言われていますが、ハコジムであれば「シェアスペース(転貸)」ビジネスとしても機能します。
ビル所有者にとっては旨味の大きいビジネスといえるのではないでしょうか。
ポイント
・ハコジムは利用者にとって、サブスクで利便性の良いサービス
・ハコジムはトレーナーにとって、場所と顧客を得られるサービス
・ハコジムはフランチャイズオーナーにとって、スペース貸しビジネス。