こんにちは、長井 達也です。
今回は” 副業したい会社員の個人事業主開業ガイド!開業届・確定申告・節税方法!”です。
2017年「働き方改革」が閣議決定され、副業解禁に踏み切る企業も出てきました。
それに伴い、会社員の方が個人事業主として副業を始めてみたという方も増えていますよね。
例えばOLさんなら出張ネイルや出張エステなど美容系のビジネスを始めてみたい方も多いですよね。
そこで今回は会社員と個人事業主という二足のわらじの利点を上手に活用した、
- 会社員が副業で個人事業主をはじめる方法
- 副業会社員必見!所得税の節税方法(損益通算について)
- 事業所得の赤字繰越の注意点!
について解説していきますね。
会社員の方が副業で個人事業主をはじめる方法
会社員の方が副業で個人事業を始める場合、、まずは税務署に開業届の提出を行いましょう。
開業届とは、個人で新たにお金を生む仕事を始めたら開業準備から1カ月以内に税務署へ提出が必要な書類です。
ちなみに自分で新たなビジネスを生み出さなくても、副業で業務委託などを行った場合でも立派な個人事業主となります。
会社員の方が副業で必要な資格・許可 | 届出先 | 費用 |
---|---|---|
開業届 | 税務署 | 無料 |
なお開業届の記載は、少し難しく分かりづらい書面になっています。
そこでおススメするのが簡単な質問に答えるだけで無料で開業届が作成出来る、開業freeeです。
開業freeeなら確定申告でメリットが多い青色申告に必要な『青色申告承認申請書』も同時に作成出来ます。
実際、私も登録して試してみましたが、5分程度で手軽に開業届を作成する事が出来ました。
後はパソコンで開業届を印刷して税務署に郵送(2部郵送し、1部控え用で返却してもらいます)するだけでOKです。
※『開業届の提出を忘れていた方!』遅れて提出しても罰則はないので、早めに提出を!
副業で赤字⇒確定申告で所得税還付されるには?
個人事業主として、事業で得た利益を”事業所得(=事業収入ー必要経費)”と言います。
この事業所得は、給与所得との「損益通算」が可能です。
損益通算とは?
損益通算とは、利益と損失を相殺する事を言います。つまり異なる所得同士を合算し所得税などを計算してもらえます。
例えば会社員の方で副業である事業所得が赤字になれば、給与所得金額から事業所得金額の赤字額を相殺することができます。
また赤字分が相殺される事で、給与所得ですでに支払った所得税は還付され、住民税に関しては再計算され減額されます。
ただし事業所得と給与所得を損益通算するには確定申告を行う必要があります。
ですから会社員の方が副業で始めた事業が不調だった場合、必ず確定申告を行って少しでも赤字分を取り戻しましょう!
副業で黒字⇒確定申告で節税するには?
個人事業主として事業で得た利益”事業所得”が黒字であった場合にも給与所得と「損益通算」、つまり合算される事になります。
なお日本では累進課税制度といって、所得が増えれば増えるほど税率が高くなる制度が採用されています。
ですから何もしなければ、事業所得と給与所得の合算された所得に対して所得税が課税されます。
また翌年度の住民税の金額も事業所得と給与所得の合算金額に対して課税されます。
そこで事業所得に対する所得税額や住民税の節税対策について列挙しますね。
さらに詳しく
事業収入ー必要経費=事業所得 上のとおり所得控除が多ければ、課税対象となる金額(課税所得)が減るため税額が少なくなります。
事業所得-所得控除=課税所得
課税所得✕税率=税額
税額-税額控除=所得税額(=税金の金額)
税額控除は決定された税額から控除される金額のことです。
ふるさと納税は[所得控除]+[税額控除]で節税できる!
ふるさと納税とは、”納税”という名称ですが寄付金に該当します。
希望の自治体にお金を寄付し、その寄付金額を現に居住する地方自治体へ申告することにより寄付分が控除できるというものです。
また寄付した金額から2,000円を超える部分が所得税や住民税から控除される制度です。
例えば1万円の場合は合計8,000円分の税金(所得税+住民税)が減額されます。
確定申告時のポイント
副業サラリーマンがふるさと納税をおこない、翌年の3月15日までに確定申告した場合、
所得税:所得税から還付されます。
住民税:翌年度分の住民税から控除(住民税の減額)
ふるさと納税を行うには、ふるさと本舗やさとふるなどで希望の商品を購入する必要があります。
購入後は自治体から寄付金の証明書が送られてくるので、それを確定申告時に計上すればOKです。
青色申告は[所得控除]で節税できる!
個人事業主の方が行う確定申告には、青色申告と白色申告という2種類があります。
なお青色申告は、電子申告により確定申告を行うことで最大65万円の所得控除が受けられる優遇制度です。
電子申告とは?
青色申告で最大65万円の所得控除を受けたい場合、通称通称e-Taxと呼ばれるオンライン上のサービスを利用して申告する必要があります。
この申告方法を電子申告と言い、事前にマイナンバーカードやマイナンバーカードを読み取るカードリーダーなどを用意する必要があります。なお書面で青色申告を行う場合は最大55万円の所得控除となります。
例えば事業所得が100万円の場合に青色申告すると、
100万円(事業所得)ー65万円(所得控除)=35万円(課税所得)となります。
なお青色申告を行いたい場合は、所得税の青色申告承認申請書を、税務署に持参または郵送にて提出する必要があります。
そこで青色申告したい場合は、青色申告承認申請書を開業freeeで無料作成がオススメです。
青色申告承認申請書の提出期限
※新たに事業を開始した場合には、その事業開始等の日から2ヶ月以内
また確定申告時に青色申告するなら、下記の確定申告ソフトがオススメです。
弥生の青色申告 | freee会計 | マネーフォワード確定申告 |
セルフ 年9,680円 | スターター 年12,936円 | パーソナル 年16,896円 |
電話サポート付 年26,400円 | 消費税申告(インボイス制度)は年26,136円 | 電話サポート付 年39,336 円 |
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初期費用0円 | 初期費用0円 | 初期費用0円 |
2023/10/28 現在
なお数字が苦手という方は、月額1万円(税別)~クラウド会計に特化した[オンライン会計事務所]があります。
日々の入力は必要ですが、確定申告書の作成など各種相談に乗ってもらえるので、開業1~2年だけお願いするというのもありではないでしょうか。
小規模企業共済は全額[所得控除]で節税できる!
小規模企業共済とは、簡単に説明すると経営者や個人事業主等の退職金制度です。
毎月の掛金額は1,000円から7万円までの範囲内で自由に選択でき、これらの全額が所得控除になります。
ただし法人または個人事業主と常時雇用関係にある方は加入できません。つまり勤務先で社会保険の加入等がなければ加入余地があります。
iDeCoは全額[所得控除]で節税できる!
iDeCo(個人型確定拠出年金)とは金融商品(投資信託など)の積立運用制度で、60歳以降に年金または一時金で受け取りができます。
なお同じく積立型の運用制度に、つみたてNISAがありますがこちらは積立額に対する所得控除はありません。
つみたて NISA | NISA | iDeCo | |
---|---|---|---|
使い道 | 老後資金など | 主に老後資金 | |
1年に投資できる額 | 40万円まで | 120万円まで | 加入者により異なる |
運用期間 | 最長20年 | 最長5年※ | 加入から60歳まで (10年間延長可能) |
税制優遇 | 運用益 非課税 積立額 ー | 運用益 非課税 積立額 ー | 運用益 非課税 積立額 全額所得控除 |
口座開設期間 | 2037年まで | 2023年まで | ー |
お引き出し | いつでも可能 | 原則60歳ま不可 |
例えば所得税10%・住民税20%の方が毎月1万円を積立てた場合、
120,000円×10%=12000円
120,000円×20%=24000円
合計36,000円もの所得税・住民税が軽減されます。つまり所得控除額分だけで投資利回り30%と言えます。
赤字の繰越(繰越控除)に注意!
青色申告を利用する際のメリットは2点あります。
ココがポイント
・事業所得(=売上から経費を差し引いた額)から最大65万円を控除される点。
・赤字を3年繰越出来き、3年以内の黒字と相殺する事が出来ます。
基本的に赤字は損益通算(他の所得と相殺)し所得税を安くする事ができますが、それでも相殺しきれない赤字は繰越控除といって最長3年間損失を翌年度以降に繰り越して控除することが可能です。
ただし、繰越控除には注意が必要です。下記の表をまずは確認下さい。
つまり事業所得で赤字(繰越控除)があった場合でも、そこから経常所得を差引き、それでも赤字額がある場合に始めて繰越控除ができるというものです。
つまり繰越控除の金額が1年間の給与所得の金額を上回る(最低でも数百万ですよね)状況というのは現実的にはあまり発生しないですよね。
まとめ
以上、”副業したい会社員の個人事業主開業ガイド!開業届・確定申告・節税方法!”はいかがでしたか?
副業会社員の方も、知識武装して確定申告に向けて準備をすれば大幅な節税を行う事が可能です。
ただし数字がどうしても苦手という方は、月額3万円(税別)~記帳、会計ソフトへの入力代行、確定申告書作成、給与計算、年末調整などがパッケージになった[オンライン会計事務所]なども活用してみてはどうでしょうか。
ポイント
副業が赤字でも確定申告すれば損益通算[事業所得の赤字と給与所得が相殺]で所得税が還付される。
副業が黒字の場合、節税対策をしないと損益通算で高い所得税率(累進課税)が適用。
副業の黒字に対して各種、所得控除により税額を押さえることができる。