こんにちは、長井達也です。
今回は、「ヘッドスパサロン開業ガイド!ドライヘッドスパの資格や集客方法・開業資金!」について解説します。
ヘッドスパサロンと言えば、2008年に日本初のほぐし専門店として京都に誕生した「悟空のきもち」が有名ですよね。
現在も「悟空のきもち」のビジネスモデルをベースにしたドライヘッドスパサロンが増加しています。
しかし、ヘッドスパのメニュー内容によっては美容師資格が必要になることがあり、保健所の審査を受けなければ開業できない場合もあります。
そこで、「ヘッドスパを開業したいけど資格は必要?開業資金はどのくらい?」と悩んでいる方に向けて、以下の内容について分かりやすく解説します:
- ヘッドスパサロンの現状
- ヘッドスパサロンの独立開業に必要な資格・許可
- ヘッドスパサロンの独立開業に必要な開業資金
- ヘッドスパサロンの開業・集客方法
それでは、ヘッドスパサロンの独立開業に向けて、一つ一つの疑問点を解決していきましょう。
ココがおすすめ
ベンチマークすべきヘッドスパサロン
・悟空のきもち
・ドライヘッドスパ専門店 meleep
ヘッドスパサロンの現状
コロナ以降も、比較的好調と言えるのがヘッドスパサロンです。
2008年に悟空のきもちが誕生するまで、ヘッドスパと言えばヘアサロンで行われる髪質ケアと頭皮ケアが主流でした。
当時ヘアサロンが積極的にヘッドスパメニューを取入れた理由があります。
それは見習アシスタントにヘッドスパメニューを担当させる事で、客単価UPに繋がったからです。
この流れを後押しする様にタカラベルモントから発売された、フルフラット対応のシャンプーユニットYUMEシリーズはヘッドスパに最適化された商品として人気を博しました。
しかし厚生労働省が2008年に「まつげエクステの施術を行なうには美容師免許の取得を必須にする」と通達すると、状況は一変します。
これまで美容専門学校を卒業すれば当然の様に美容師になるという選択肢から、見習い期間の短いマツエクサロンへ就職する方が増える様になります。
さらに少子化の影響も重なり、ヘアサロン業界は慢性的な人材不足に陥り積極的にヘッドスパメニューを取入れる事が難しくなりました。
またシャンプ台を長時間占領するスパメニューも回転率を押し下げる要因ともなりました。
そこで現在ではヘアサロンで行われてきたヘッドスパ需要の受け皿として、ヘッドスパサロン専門店が増加する事になります。
施術内容もヘアサロンで行われてきた髪質ケアと頭皮ケアなどから、ヘッドスパ専門店では”眠りや癒やし”に重点をおき洗髪は行わないドライヘッドスパに変化しました。
なおドライヘッドスパの施術内容としては鍼灸の経絡を応用し、頭のツボを刺激したり第二の骨格とも呼ばれる筋肉を覆っている膜、筋膜を緩めるなどを行う施術が多い様です。
ヘッドスパサロンの開業に必要な資格・許可
ヘッドスパサロンを開業する際、施術内容によって保健所の営業許可や美容師免許が必要になる場合があります。
ヘッドスパの施術には、水やオイルを使用しないドライタイプと、髪質ケアと頭皮ケアまで行うウェットタイプの2種類に分けられますよね。
ヘアサロンで行う様なウェットタイプのヘッドスパ施術(洗髪・シャンプー)を行う場合、美容師免許の資格が必要になります。
なぜ、美容師免許の資格が必要になるのかについては、厚生労働省の見解を抜粋して解説します。
美容師法抜粋
美容師法第二条
・「美容」とは、パーマネントウエーブ、結髪、化粧等の方法により容姿を美しくすることをいう。
・「美容師」とは、厚生労働大臣の免許を受けて美容を業とする者をいう。
・「美容所」とは、美容の業を行うために設けられた施設をいう。
また平成25年4月11日(木曜日)の衆議院の特別委員会において、当時の厚生労働省健康局長よりシャンプーに関しては理容師や美容師の業務として確立しているという回答があります。
あわせて平成27年の健発0717第2号により、理容又は美容には美容師法第2条第1項に明示する行為のほかこれに準ずる行為が一定の範囲内で含まれるものと記載があります。
以上により厚生労働省では、洗髪を行うには美容師または理容師の資格を必要とするものと判断しています。
ですからドライヘッドスパサロンではなく、ウェットによるヘッドスパサロンを開業されたい場合には理容師又は美容師の国家資格及び、ヘアサロンと同等の設備を有した美容所開設し、保健所へ届け出が必要という訳です。
※国家資格である介護士などは、業務範囲において洗髪行為が認められています。
そこで、ここからはドライヘッドスパサロンの開業を前提として解説していきます。
ヘッドスパサロンの独立開業時に必要な許可
個人事業主として美容師法に接触しないドライヘッドスパにてサロン開業する場合、必要な資格や許可は税務署に提出が必要な開業届のみになります。
開業届とは、個人で新たにお金を生む仕事を始めたら開業準備から1カ月以内に税務署へ提出が必要な書類になります。
ヘッドスパサロン開業に 必要な資格・許可 | 届出先 | 費用 |
---|---|---|
開業届 | 税務署 | 無料 |
なお開業届の記載方法は、少し難しく分かりづらい書面になっています。
そこでおススメするのが、簡単な質問に答えるだけで開業届が無料で作成出来る開業freeeです。
開業freeeなら確定申告でメリットが多い青色申告に必要な『青色申告承認申請書』も同時に作成出来ます。
実際に私も登録して試してみましたが、5分程度で手軽に開業届を作成する事が出来ました。
後はパソコンで開業届を印刷して税務署に郵送(2部郵送し、1部控え用で返却してもらいます)するだけでOKです。
※『開業届の提出を忘れていた方!』遅れて提出してもペナルティーはないので、早めに提出を!
ヘッドスパサロンの開業資金目安
ドライヘッドスパでサロンを開業する際に必要な開業資金は、当然ながら開業規模により異なってきます。
また開業予定エリアや物件状態によっても、例えば床・壁天井など躯体抜き出しのスケルトン物件、前テナントの内装が残置された居抜き物件、マンション内装のSOHO物件などで変動します。
居抜物件 | スケルトン物件 | 賃貸マンション物件(SOHO) | |
内装費用目安 | 坪単価10万円~20万円 | 坪単価20万~50万 | 坪単価0円~5万円 |
但し賃貸マンションで許可なくヘッドスパサロンを開業したい場合、賃貸借契約上、重大な契約違反になってしまいます。
そこでオススメするのがSOHOタイプの賃貸マンションでの開業です。
SOHOとは住居仕様なのに、店舗契約や事務所契約が可能な物件になります。
最近のSOHO物件ではデザイナーズ物件と呼ばれるものも多くあり、新たに内装を施さなくてもオシャレな内装ですぐに店舗を開業出来るものが多くあります。
そんなSOHOタイプでヘッドスパサロンを開業されたいなら、DOOR賃貸がオススメです。
DOOR賃貸なら、大手賃貸物件サイトをまとめて検索可能(スーモ、マイナビ、アパマンなど)でSOHO物件が簡単に探せます。
次にドライヘッドスパを開業する際の什器備品ですが、施術ベッド又はリクライニングチェア、さらに施術者用の施術チェアが程度です。費用も5万円前後です。
自己資金が不足する場合は、日本政策金融公庫(国金)の融資制度などを活用する方法が有ります。
例えば新創業融資制度では、新たに事業を始める方や事業を開始して間もない方に無担保・無保証人で融資を行う制度です。
ただし融資を受ける場合、一般的には開業資金の3割程度を自己資金で用意する必要があるといわれています。
ヘッドスパサロンにオススメのカード決済
ヘッドスパサロンの開業準備が整ったら、クレジットカード決済の導入も忘れずに行いましょう。
クレジットカード決済を導入するだけで、見込客UP,客単価UPなど集客力強化にも繋がります。
例えば給料日前で財布の中身に余裕がなくても、お客様は安心してオプション追加なども出来ますよね。
最近のクレジットカード決済では、スマートフォンやタブレットを使ったスマホ決済(モバイル決済)が急速に普及しています。
従来のクレジットカード決済(キャット端末と呼ばれる高額な機械)よりもカード決済を導入する敷居は大幅に下がっています。
現在、日本国内で利用出来るスマホ決済(モバイル決済)大手3社の比較表を掲載します。
スマホ決済サービス比較表
サービス名 | |||
決済端末 | |||
決済端末価格 | 4,980円~ | 19,800円 | 19,800円 |
月額料金 | 0円 | 0円 | 0円 |
決済手数料 | 3.25%VISA/Master | 3.24% VISA/Master | 3.24% VISA/Master |
入金サイクル | 最短 翌日 | 月6回 | 最短 翌日 |
その他の決済 | PayPay決済・交通系対応 | PayPay決済・交通系対応 | 交通系対応 |
備考 | 端末価格4980円 | 端末実質無料 | 端末無料 |
3社に共通するのは、下記の3つです。基本的なサービス内容はほぼ同じなので後は端末価格などをもとに検討されてはどうでしょうか。
1:初期導入コストの安さ
2:売上に応じた手数料の安さ
3:入金スパンの早さ
ヘッドスパサロン開業に必要な契約手続
ヘッドスパサロンのコンセプトに基づき、開業資金を準備し物件や内装が決まれば、いよいよオープン目前。
開業までに必要な契約を整えてお店のオープン日に備えましょう!
開業時に必要な契約リスト
- 水道光熱関連
- クレジットカード決済
- ネット予約システム / ホームページ
- セキュリティー(必要に応じて)
- 損害賠償保険
- 媒体掲載の契約
- 有線などの音楽関連
- インターネット・電話契約
- 塵処理契約
ヘッドスパサロンの集客方法
ヘッドスパサロンにお客様を集客しようとした場合、Hot Pepperなどに頼りがちですよね。
もちろん重要な媒体の1つですが、口コミを狙っていくなら外せないのが、【エキテン】です。
エキテンは国内最大級の店舗口コミサイトで、総掲載店舗数440万店・投稿口コミ数100万件超です。
ヘッドスパサロンはもちろん、エステやリラクなど理美容系の店舗が多数掲載されています。
有料プランもありますが、無料で店舗の情報や口コミを集められる無料店舗会員プランがあります。
まずはそちらにご自身のヘッドスパサロンを登録し、どの程度集客出来るか反応を見てから有料プランを検討してみましょう。
また予約システムも有料版なら利用できるので、トータルコストは安いのではないでしょうか。
ヘッドスパサロンのホームページを作成し集客しよう!
ヘッドスパを開業しホットペッパービューティーなどの媒体に掲載し集客が成功したとしても、お客様が定着し顧客化しないと経営は安定しません。
そこで重要になるのが、ヘッドスパサロンの開業にあわせて自分の強みが積極的にアピール出来る、お店のホームページを作成する事です。
なぜなら意識の高いお客様ほど事前にお店のホームページを閲覧し、来店をするか判断してからポータルサイトで予約される導線になるからです。
しかし正直、お店のホームページなんて作った事ないしWEB制作会社に依頼しても高額な金額を請求されそうで怖いですよね。
そこでオススメしたいのが、CMSと呼ばれるお店のホームページ等が簡単に作成出来るサービスです。
CMSとはプロのデザイナーが作成したテンプレートを選択するだけで、だれでも簡単にデザイン性の高いホームページが作成できるサービスです。
後は管理画面に沿って、画像やテキストを入力すればすぐにホームページが公開出来ます。
今回はヘッドスパサロン店舗のホームページが手軽に、低価格で始められるサービスを3つ厳選して紹介いたします。
グーペ | おちゃのこさいさい | ジンドゥー | ペライチ | |
初期費用 | 0円 | 3,300円 独自ドメイン利用時 | 0円 | 0円 |
月額(共用ドメイン) | 1,100円(年間契約) 1,650円(1ヶ月単位) | 825円(年間契約) 935円(1ヶ月単位) | 0円 | 0円 |
月額(独自ドメイン) | 1,100円(年間契約) 1,650円(1ヶ月単位) | 1,650円(年間契約) 1,870円(1ヶ月単位) | 990円(年間契約) 1,320円(1ヶ月単位) | 2,950円(年間契約) 3,278円(1ヶ月単位) |
多言語 | ◯ | ☓ | △ | ☓ |
フリーページ | 無制限 | 共用:20P 独自:無制限 | 共用:5P 独自:10P | 共用:1P 独自:5P |
特徴 | 共用は広告表示あり | 共用は広告表示あり | 共用は広告表示あり |
いずれも使い勝手に大きな違いはないので、好みのデザインが手軽に作成できるかなどで判断されてみてはどうでしょうか。
ヘッドスパサロンの確定申告
個人事業主としてヘッドスパサロンを開業したら、確定申告が必要になります。
確定申告とは、個人事業主の方が1月1日~12月31日までの1年間の営業結果を翌年の2月16日~3月15日の間に税務署に申告する事を言います。
また確定申告には青色申告と白色申告という2種類の方法があり、青色申告で申告した場合は税金が安くなります。
確定申告 の種類 | 白色申告 | 青色申告 | |
---|---|---|---|
届け出の必要 | なし | あり | |
所得控除額 | なし | 10万円 | 55万円 |
帳簿の種類 | 単式簿記 | 単式簿記 | 複式簿記 |
赤字の繰越 | 繰越不可 | 3年繰越可能 |
本来確定申告書を作成するには会計や簿記の知識が必要になるのですが、お小遣い帳感覚で開業し店舗の確定申告の作成が可能となる、クラウド型と呼ばれる確定申告書が作成出来る会計ソフトをご紹介します。
クラウド会計ソフトとはインターネット上で入力出来るソフトの事で、特に下記はいずれも会計の知識がなくても確定申告書を作成する事が可能です。
それでは早速おススメの3社のクラウド会計ソフトを比較していきます!
弥生の青色申告 | freee会計 | マネーフォワード確定申告 |
セルフ 年9,680円 | スターター 年12,936円 | パーソナル 年16,896円 |
電話サポート付 年26,400円 | 消費税申告(インボイス制度)は年26,136円 | 電話サポート付 年39,336 円 |
最安値&人気No1! | スマホで領収書撮影するだけの簡単処理! | 個人事業主の伸び率No.1 |
初期費用0円 | 初期費用0円 | 初期費用0円 |
2023/10/28 現在
まとめ
以上、ヘッドスパサロン開業ガイド!資格・集客方法・開業資金について解説はいかがでしたか?
睡眠に主眼をおいたドライヘッドスパの専門店では、基本的に鍼灸の経絡を応用した施術を行います。
また、より深い眠りを誘う(入眠)ために視覚的に光を遮ったり、アルファ波が出やすいミュージックなどの環境を整えていきます。
施術スタイルとしては、施術ベッドやリクライニングソファーがありますが、ドライヘッドスパ専門店では施術ベッドは少数派の様です。
以上の観点から、物件選びや施術内容などコンセプトを固めてから、ヘッドスパサロンの開業を目指していきましょう!
ポイント
- ヘッドスパサロンで洗髪する場合、美容師免許の資格と設備(美容所登録)が必要となる。
- ヘッドスパサロンでは美容師免許の資格が不要なドライヘッドスパが主流。
- ヘッドスパの施術では経絡を応用し”睡眠”に誘導するのが一般的。
- ヘッドスパの施術では施術だけでなく、視覚や聴覚など癒やしの環境構築が大切。