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個人事業主のインボイス制度導入ガイド|美容室・リラク・ネイル・整体などの対応策

2021年7月19日

個人事業主のインボイス制度導入ガイド|消費税の免税事業者がなくなる?

こんにちは、長井 達也です。

今回は”個人事業主のインボイス制度導入ガイド|美容室・リラク・ネイル・整体などの対応策”です。

個人事業主の皆さん、最近よく耳にするインボイス制度について「私も手続きが必要なの?」「何から始めたら良いの?」といった疑問はありませんか?

インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは、2023年10月1日から始まる”消費税等”に関する新しい仕組みになります。

インボイス制度の対象となるのは、法人だけでなく個人事業主も含めた全ての事業者です。

そのため、法人または個人事業主の方は原則、2023年3月31日までに管轄地域の「インボイス登録センター」へ、登録事業者(適格請求書発行事業者の登録”)として登録申請を行う必要があります。

その後、登録申請が完了し税務署から登録番号が発行される事で「適格請求書」というものが初めて発行可能になるというものです。

なんだか難しい内容ですが、例えばシェアサロンなどを活用して一人で美容室を経営されている方(フリーランス)、自宅サロンで開業された方など皆さん手続きが必要な制度となります。

そこで今回は個人事業主にとって原則登録が必要となるインボイス制度について、

  • インボイス制度の概要
  • 仕入税額控除とは?
  • インボイス制度の導入手順

について、詳しく解説していきますね。

この記事の対象者

・個人事業主で確定申告している方
・美容室、エステ、整体、整骨・ネイル・リラク・鍼灸院などの個人事業主で領収書の発行機会の多い方

 

仕入れ税額控除とは?

インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは?

初めにインボイス制度(適格請求書等保存方式)の内容を理解するための予備知識として、仕入税額控除”について説明いたします。

消費税の納税義務(年間の課税売上高1000万円以上など)がある事業者(個人事業主または法人)を、課税事業者と言います。

長井
消費税の課税義務がない場合は、免税事業者ですね。


この
課税事業者が消費税を納税する際、これまでは売上時に受取った消費税額から仕入時に支払った消費税額を相殺した額を納税してきました。

この相殺できる仕組みを仕入税額控除”と言います。

ポイント

1個55円(税込)のリンゴを仕入れ、110円(税込)で販売した場合、

仕入時には10%(5円)の消費税を支払います。
販売時には10%(10円)の消費税をお客様から受け取ります。
納税額は下記の通り5円になります。

売上時の消費税10円-仕入時の消費税5円(仕入税額控除額)=5円

これが2023年10月1日からインボイス制度が開始され、消費税の支払先がインボイス制度の登録事業者でない場合。

仕入時に支払った消費税額を相殺出来ない仕組みに変更されます。

注意ポイント

1個55円(税込)のリンゴを仕入れ、110円(税込)で販売した場合、

仕入時には10%(5円)の消費税を支払います。
販売時には10%(10円)の消費税をお客様から受け取ります。
なお納税額は下記の通り10円になります。

売上時の消費税10円-仕入時の消費税0円(仕入税額控除額)=10円

つまりインボイス制度が開始される事で、課税事業者は登録事業者以外に消費税を支払った場合、余分に消費税を支払う必要が出てくる事になります。

そのため課税事業者は損をしないために、インボイス制度の登録事業者から商品やサービスを購入する様に選択する事になります。

 

インボイス制度(適格請求書等保存方式)の概要

インボイス制度(適格請求書等保存方式)とは?

2023年10月1日に開始されるインボイス制度は、正式には適格請求書等保存方式と言います。

適格請求書(=インボイス)とは、従来の請求書に登録番号・適用税率及び消費税額等の情報が追記されたものを指します。

インボイスとは?

インボイス(Invoice)とは英語で送り状を意味し、貿易実務などにおいては請求書よりも事細かに内容を記載した重要書類を意味します。

 

インボイス制度が開始されると、課税事業者が仕入税額控除を行うためには、適格請求書の受取・保管が要件となります。

具体的にはモノやサービスを購入する際、販売者から適格請求書を受け取らないと課税事業者は仕入税額控除を行う事が出来なくなる制度です。

一方、販売者が適格請求書を発行するには税務署に登録申請書を提出し、”適格請求書発行事業者”として登録される必要があります。

ただし登録申請書を提出できるのは”消費税の課税事業者”である必要があります。

つまり現在は免税事業者でも自ら課税事業者に変更しなければいけません。

※適格請求書発行事業者の登録申請書の受付開始(税務署)は2021年10月1日からです。

注意ポイント

・2023年10月1日以降、適格請求書が交付されないと買い手側は仕入税額控除が出来ない。
・適格請求書は登録申請書を提出し登録を受けた「適格請求書発行事業者」のみ発行可能。
・適格請求書発行事業者になるには”消費税の課税事業者”である必要がある。

 

インボイス制度の申請手続き

インボイス制度がスタートしたらどうなるの?

2023年10月より開始されるインボイス制度(適格請求書等保存方式)では販売者・購入者それぞれで対応が必要になります。

モノ・サービスの販売者モノ・サービスの購入者
・買手の課税事業者から適格請求書(インボイス)の交付を求めれられた場合発行が必要。
・交付した(インボイス)の写しを保存しておく必要がある。
・売手の販売事業者から適格請求書(インボイス)の交付を受け、保存しなければならない。

先程も説明しましたが課税事業者は、適格請求書発行事業者ではない事業者(=免税事業者や未登録の事業者)から、モノやサービスを購入しても仕入税額控除を受る事が出来ません。

つまり課税事業者は仕入税額控除が行えないため、消費税の納税額が増えてしまいます。

そこで適格請求書発行事業者ではない販売者に対して、値引きを要求したり契約や取引の中止を打診する事になりかねません。

結果、免税事業者の方はみずから課税事業者に鞍替えするために登録申請書を提出し「適格請求書発行事業者」になる道を選択する必要があると言えます。

 

インボイス制度の申請手続き

インボイス制度が開始される2023年10月1日のまでに適格請求書発行事業者となるには原則、2023年3月31日までに登録申請が必要です。

なお「適格請求書発行事業者」の登録申請は、下記の国税庁ホームーページよりダウンロードできます。

適格請求書発行事業者の登録申請手続(国内事業者用)

必要事項を記入後、納税地を管轄する下記「インボイス登録センター」へ郵送することになります。
※センターには受付窓口がありませんので、申請書等を直接持ち込む事はできません。

各局(所)管轄地域
札幌国税局インボイス登録センター 北海道
仙台国税局インボイス登録センター青森県 岩手県 宮城県 秋田県 山形県 福島県
関東信越国税局インボイス登録センター茨城県 栃木県 群馬県 埼玉県 新潟県 長野県
東京国税局インボイス登録センター千葉県 東京都 神奈川県 山梨県
金沢国税局インボイス登録センター富山県 石川県 福井県
名古屋国税局インボイス登録センター岐阜県 静岡県 愛知県 三重県
大阪国税局インボイス登録センター滋賀県 京都府 大阪府 兵庫県 奈良県 和歌山県
広島国税局インボイス登録センター鳥取県 島根県 岡山県 広島県 山口県
高松国税局インボイス登録センター徳島県 香川県 愛媛県 高知県
福岡国税局インボイス登録センター福岡県 佐賀県 長崎県
熊本国税局インボイス登録センター熊本県 大分県 宮崎県 鹿児島県
沖縄国税事務所インボイス登録センター沖縄県

なお確定申告などを現在、e-taxでされている方は、郵送ではなく電子申請も可能です。

詳しくは、国税庁の登録申請手続におけるe-Tax対応からご確認下さい。

登録完了後した場合

インボイス登録センターへ「適格請求書発行事業者」の登録申請を郵送後、約2週間程で税務署より「適格請求書発行事業者の登録通知書」が郵送されます。

また登録通知書には登録番号が記載されており、2023年10月以降に発行する請求書(適格請求書)に登録番号を記載する必要があります。

ちなみに登録番号の構成は、次の通りです。

ポイント

  • 法人番号を有する課税事業者
    「T」(ローマ字) + 法人番号(数字13桁)
  • 上記以外の課税事業者(個人事業者、人格のない社団等)
    「T」(ローマ字) + 数字13桁(注)

まとめ

以上、”個人事業主のインボイス制度導入ガイド|美容室・リラク・ネイル・整体などの対応策”はいかがでしたか?

免税事業者同士、または一般消費者を顧客ターゲットとしている方にはまだ直接考慮する必要はないかもしれません。

しかし適格請求書の発行をいつ言われるかはわかりませんから、やはり事前準備は必要と言えますね。

ポイント

・インボイス制度とは課税事業者が仕入税額控除を行うための新しい要件
・仕入税額控除とは、課税売上と課税仕入に係る消費税を相殺し納税できる仕組み
・適格請求書(=インボイス)とは、インボイス制度を行うために必要な請求書の名称
・課税事業者は適格請求書の交付を受けることで仕入税額控除が可能となる。
・適格請求書の発行には税務署に「適格請求書発行事業者」の登録申請が必要。
・「適格請求書発行事業者」の登録申請には課税事業者である必要がある。
・免税事業者は課税事業者に鞍替えする事で「適格請求書発行事業者」の申請ができる。

  • この記事を書いた人

運営者 長井 達也

独立開業される施術者さんに向けて、開業・運営、集客、確定申告など役立つ情報を提供しています。またリラク・エステ・整体・整骨・鍼灸などジャンルを問わず独立開業・運営の個別コンサルティング&店舗物件の仲介も行っています。気軽にご相談下さい。

【経歴】ヘアサロン・ネイルサロン・リラク・鍼灸院の立上げ・居酒屋の立直し(年間400万円の赤字店舗→1年後に700万円の黒字化)・IT企業で総務・経理など。現在は商業不動産のリーシングやレンタルサロン運営を行いつつ、農業・陸上養殖・地方創生にも興味があります。4人兄弟の末っ子B型左利き

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