こんにちは、長井 達也です。
今回は”美容師・整体師さんがAI(人工知能)・ロボットに仕事を奪われる日”です。
2014年、オックスフォード大学のオズボーン准教授らが、
「20年後までに人類の仕事の約50%が、人工知能ないしは機械によって代替され消滅する」という論文を発表しました。
当時この論文は話題になりましたが、その後もこれを肯定するような報告が続いています。
一方、美容師さんや整体師さんなど施術者の皆さんは、自分の仕事がAI(人工知能)に奪われるのは、ずっと先の未来だと考えてないでしょうか?
確かに、2足歩行のロボットが歩きまわったり、人間と同じ仕事がこなせるロボットを日常で見かける事はないですよね。
しかし、ここで大切なのはAIやロボットが人間の行う仕事の全工程を担う事で、多くの方が失業するという予測だけとは限りません。
それは、人間が行う仕事を100%が再現出来なくても、全工程の内50%がAI(人工知能)・ロボットに置き換わる事が起こり始めるという未来です。
実際、日常生活に馴染み過ぎて気が付いていないだけで、既にAI(人工知能)やロボットに仕事の一部を奪われています。
そこで今回は、AI(人工知能)・ロボットと仕事を分担しながら活躍するために、
・AIとは?
・今後のビジネスにAIを活かすには?
について、解説していきたいと思います。
AI・ロボットと可処分所得の奪い合い
まずは整体師の方が、2023年現在でAIに仕事を奪われているのかという事について解説します。
例えば「肩こりでマッサージを受けたい」というニーズが存在する場合。
リラクゼーションサロンで働く人は、自分の知らないところで電動マッサージチェアと可処分所得の奪い合いを繰り広げている可能性があります。
上記の写真のマッサージチェアは、PanasonicリアプロというAIが搭載された商品で販売価格は50万円程度です。
この機械の耐用年数を2年と低く見積もっても、365日働ける日給700円(50万円÷2年÷365日)の労働力と言えます。
営業時間が10時間の店舗に設置するなら、時給70円の労働力と言えます。
この時給70円の労働力であるリアプロは、手足がある訳ではないですし、接客が出来る訳でもないのに16分で400円稼ぐのです。
お店側としては、1日1回稼働してくれるだけで御の字(場所代・電気代・消耗品は考慮すべきですが)ですよね。
つまり『20年後までに人類の仕事の約50%が機械に置き換わる』というのは、人間と同じスキルが20年後までに達成出来るという訳ではないのが明白です。
また最近は鍼灸師・柔道整復師・理学療法士さんなどで物理療法が盛んに行われていますよね。
これら機器代金を当然に施術料金に転嫁する事になるのですが、この行為自体が人間と機械の間で可処分所得の奪い合いが生まれていると言えます。
なぜなら人が労働せず、機械の労働(スキル)を活用する事で人間から仕事を奪っているのですから。
施術者は感情がある=売上の差別化要因になる?
現時点でAI(人工知能)が人間の感情を理解することは苦手とする分野ですが、かたや人間がAIやロボットに感情移入しないかと言うとそうではありません。
例えばソニーが1999年に発売したペットロボットAIBOは、部品供給が終了し修理が不可能となった飼い主によって2015年に合同葬儀が行われたことがニュースになりました。
また人間は五感のうち、視覚からの情報が8割を占めるといいます。言葉は話せなくても動作して反応してくるものに感情を頂くのではないでしょうか。
最近ではルンバに対しても、名前を付けたり愛着を感じる方がいる様です。
施術者は会話できる=売上の差別化要因になる?
AI技術が搭載されたスマートスピーカーとして、Alexaなどがありますよね。
現在存在するAlexaでもある程度は会話が成立するレベルです。
ただ会話を楽しむというよりも、会話に対して動的な反応される事の方が愛着が湧く要因ではないでしょうか。
愛玩動物であるペットと会話が成立することで愛着がわくわけではありませんよね。
今後、電動マッサージチェアなどがAIを搭載し呼びかけに反応(もっと強く揉んで!など)する事は難しい事ではないはずです。
また一方、最近は会話を望まない方のための接客が誕生しています。
例えばわずか4年で100店舗を展開された美容室のディアーズの北原さんは、お客様が希望しない限り会話をしないという経営方針をされています。
つまり人間は感情を持ち、感情を理解できるというのが絶対的優位ではないという事です。
AI/ロボットと共存し仕事を分担するには?
これまでも産業革命などを経て、人は機械などに仕事を奪われてきましたが、大切なのはそれぞれが得意なことにシフトしていくという事だと思います。
AIやロボットは人間と比較して、長時間労働でき過去データの経験値(データベース)を用いて最適解を導く能力に優れています。
一方人間は0から1をつくるというクリエイティブな分野において、まだAIやロボットよりも長所を発揮する事ができます。
例えばAIは機械学習によりブームの延長線上は作れても、問題自体を考える能力は現時点で獲得できていません。
つまり「問いを立てる」ところが人間の能力を発揮できるポイントになります。
マーケットインや(買い手が必要なものを提供する)、プロダクトアウト(売り手が発想して販売を行う)という言葉がありますが、どちらか一方の要素が重要なのではなく、AIやロボットを活用して”いいとこどり”を行うことがこれからの経営でもあります。
そのためにも過去の傾向などはAI/ロボットに分析を任せながら、ロボットなど新しい技術を取り入れ顧客に提案していく事が共存の第一歩になるのではないでしょうか。
まとめ
以上、”美容師・整体師さんがAI(人工知能)・ロボットに仕事を奪われる日!”はいかがでしたか?
AIやロボットに自分の仕事を奪われないためには、むしろAIやロボットを積極的に活用し使う側に回るというのが大切だと思います。
その分、自分のリソースを新しいことにむけて、さらなるAI・ロボットの活用方法を模索していく事が正しい共存になるのではないでしょうか。
例えばカウンセリングの内容を決める、問診の問いを考える、現在の問題点に対し複数のアイデアを統合し、既存にないものを生み出すというセンスが大切です。
これまでの義務教育でありがちな、出された問に対して答えを出すという能力だけでは厳しい未来ですよね。
またリラクゼーションの大手チェーン、ラフィネでは電動マッサージチェア併設のリラクゼーションサロンも展開しています。
AI/ロボットを一度飲み込んでしまう、その上で戦略を考えていくというのが本当に賢いやり方なのではと思います。
ポイント
・AIやロボットに仕事が置き換わるのは遠い未来ではなく、現在進行形
・AIやロボットと差別化するのではなく使う側に回