こんにちは、ナガイタツヤです。
今回は、”鍼灸師の独立開業ガイド!鍼灸院の開業届や開業資金について”です。
鍼灸の専門学校を卒業後、国試に受かればすぐに鍼灸院を開業されたい方。
または鍼灸院に鍼灸師として勤務されている方で、これから鍼灸院の独立開業を考えている方も多いですよね。
しかし「鍼灸院の開業の仕方や集客方法が分からないし、失敗した時のリスクも怖い。」と悩んでいる方も多い様です。
そこで今回の記事では、
- 鍼灸院・鍼灸師の現状
- 鍼灸師のための鍼灸院開業方法
- 鍼灸院の運営・集客方法
について詳しく解説していきます。
専門学校や、勤務している鍼灸院では教えてくれない鍼灸院の開業手順について順を追って分かりやすく説明していきますね。
それでは鍼灸師として鍼灸院の独立開業を成功させるために、一連の流れを確認していきましょう。
目次
鍼灸師・鍼灸院の現状は?
高齢化社会の中でも需要が見込める業種として、また手に職をつけたいという理由で鍼灸師は人気の業種となっています。
事実、日本の総人口が2015年国勢調査時から減少に転じる中、反比例するように鍼灸師は増加の一途を辿っています。
しかし鍼灸院を利用する人の割合が年間4%~6%前後と低迷しているの中、単純に高齢化社会が到来したからと言って鍼灸師の需要が増しているのか疑問が残ります。
もちろん日本が高齢化社会になるのは間違いありませんが、鍼灸師の増加に比例して年々鍼灸院も増えている事から、「鍼灸院」が既に過当競争の時代に突入しているといえます。
事実、東京商工リサーチの調査では2018年の「マッサージ業、整骨院、鍼灸院、整体等」の倒産件数が過去10年で最多を記録したという報告があります。
つまり鍼灸院を開業される際に重要になるのは、鍼灸院を開業したからといって高齢者が単純には顧客にはならない現状を理解する事です。
またその一方で、鍼灸整骨院のチェーン展開が最近急速に発展しています。
これらの競合店と、どのように差別化を図るのかも鍼灸院の開業・集客で成功を得るためには重要な要素となります。
美容鍼灸の今後について
最近はハリネズミ美容鍼で一躍有名となった鍼灸師の角森さんなどの影響もあり、美容鍼灸をウリに鍼灸院を開業される方が増えてきましたよね。
また既存の鍼灸院でも、セイリン のpicorina(ピコリナ)など物理療法を取り入れて美容鍼灸をされる方も増えてきます。
これら美容鍼灸がもてはやされると言う事は、裏を返せば鍼灸師の方が保険治療による施術行為が難しく実費治療にて活路を見出した結果とも言えます。
また医療費を抑制したい厚生労働省や日本医師会の政治的発言力もあり、これから先も鍼灸師や柔道整復師の方による積極的な保険治療は難しい事を示唆しています。
しかし美容鍼灸を取り入れたからといって、鍼灸院の経営が安定するかは不透明です。
これまで鍼灸師の専売特許でもあった美容鍼ですが、最近では美容外科による鍼療法も知名度を伸ばしています。
例えば微細な針で皮膚に傷をつけ、それを修復するために線維芽細胞が活性化し、コラーゲンとエラスチンが増幅しターンオーバーが促進されるダーマペン4なども人気です。
鍼灸院の独立開業に必要な資格・許可
鍼灸師とは、鍼(はり)と灸(きゅう)の施術を行う人の事を言います。
また鍼灸師の方が鍼灸の施術を行い、治療行為を行う店舗の事を鍼灸院と呼びます。
そこでまずは鍼灸師として鍼灸院を開業する為に必要な資格・許可から整理していきます。
鍼灸師になるのに必要な資格は?
鍼灸師として患者(お客様)に鍼灸の施術を行う場合、鍼灸師の国家資格が必要になります。
但し鍼灸師という名称の国家資格が存在するわけではなく、「はり師」「きゅう師」という2つの国家資格を取得し、施術を行う人の事を一般的に鍼灸師と呼びます。
鍼灸師になるには専門学校等(3年間)で受験資格を取得し、国家試験に合格する必要があります。
はり師・きゅう師の国家試験は1年に1度実施され、国家試験に合格することで、はり師・きゅう師の資格を取得できます。
ちなみに平成30年2月に実施された「はり師」「きゅう師」国家試験の合格率は、はり師で57.7%、きゅう師で62.5%になります。
鍼灸院の開業方法は?
鍼灸院を開業したい場合、まず最初に鍼灸の国家試験に合格し厚生労働大臣免許(都道府県知事免許)の交付を受ける必要があります。
このときの諸費用として、申請手数料および登録免許税(2免許分)が掛かります。
次に鍼灸院を開設(施術が開始出来る準備が出来た状態)すると、10日以内に管轄する保健所へ施術所開設届出書と言う書類の提出が必要になります。
保健所に施術所開設届出書を提出したら後日、保健所の職員の方が施術所開設の基準を満たしているか、実際に店舗まで検査に来ます。
無事検査が完了すると、施術所開設届出済証明書が保健所から発行され営業許可が下りる事になります。
鍼灸院の開業に必要な許可 | 届出先 | 手数料 |
---|---|---|
申請手数料(はり師・きゅう師) 登録免許税(はり師・きゅう師) | (財)東洋療法研修試験財団 | 28,400円 |
施術所開設届出書 登録 (施術所開設届出済証明書) | 保険所 | 無料 |
なお施術所開設届を提出する際、開業者の氏名、店舗の住所、施術所の名称等を記載する欄がありますから、事前に施術所(鍼灸院)の名前を決めておく必要があります。
施術所の名称としては原則として開設者のを冠し、その後に業務の種類を入れる事と規定されています。
そこで[苗字+鍼灸院]等が施術所の名前として一般的ですが、実際には必ずしも名字である必要はありません。
また単に「○○治療院」、「○○治療所」など医療機関と混同する様な名前や「はり科」・「きゅう科」など「科」の文字を使用することは施術所の名前としては認められていません。
○○鍼灸院、○○鍼灸整骨院、○○鍼灸治療院など
施術所開設届出書の提出方法
鍼灸院を開業するために保健所(名称は都道府県により保険局や、医療衛生センター、衛生監視所など様々)に、施術所開設届出書 の提出を行う方法について解説します。
<施術所(鍼灸院)の開設届手順>
- 事前相談
通常は保健所に電話にて予約後、図面(平面図)を持参の上、保健医療係へご相談ください。 - 開設(内装も出来上がり必要な備品類も設置が終わりいつでも施術が開始出来る状態)
- 開設届の提出
鍼灸院の開設から10日以内に保健所へ施術所開設届出書を提出する必要があります。 - 保健所職員による検査
現地に伺い、届出内容に相違がないか確認します。
<施術所(鍼灸院)の開設に必要な書類>
提 出 書 類 | 提出部数 | 注 意 事 項 | |
施術所開設届 | 2 | 保健所の窓口で配布しています。 | |
添付文書
| 業務に従事する施術者の免許証の写し | 2 | 免許証本証と照合するため、本証を窓口に持参する必要あり |
施術所の平面図 | 2 | 待合室および施術室との別と、寸法および床面積、ベッド・機器類の配置、 施術室の外気開放面積(または換気装置)とその位置、および消毒設備の位置を記入 | |
施術所への案内図 | 2 | 施術所の場所がわかるように付近の地図を記載したものを用意します。 |
鍼灸院の開業に必要な開業資金は?
鍼灸師さんがひとりで鍼灸院を立ち上げる場合、テナント物件の場合は最低でも150万円~200万円程度の自己資金が必要です。
なお自己資金が不足する場合は、日本政策金融公庫(国金)の融資制度などを活用する方法が有ります。
例えば新創業融資制度では、新たに事業を始める方や事業を開始して間もない方に無担保・無保証人で融資を行う制度です。
ただし鍼灸院の開業に伴い融資を受けたい場合、一般的には開業資金の3割程度を自己資金で用意する必要があると言われています。
融資される資金は、税金の支払いや設備費用、運転資金など多様な用途に利用出来るため、日本政策金融公庫の創業融資とあわせて日々の運転資金の非常用として申し込んでおく事がおすすめです。
鍼灸院の開業に必要な開業届
個人で鍼灸院の開業準備を始めたら、次は税務署に開業届の提出が必要です。
開業届とは個人で新たにお金を生む仕事を始めたら、開業から1カ月以内に税務署に提出が必要な書類の事です。
つまり個人で鍼灸院を開業したら、自動的に個人事業主となるため開業届の提出が必要となります。
なお開業届はどこに何を記載したら良いのか正直分かりにくい書式なので、簡単な質問に答えるだけで開業届が手軽に作成出来る、開業freeeと言うサービスがおすすめです。
また個人で鍼灸院を開業した場合、確定申告(=1年間の売上を税務署に申告する制度)を毎年行う必要があります。
開業freeeなら確定申告で税金がお得になる『青色申告承認申請書』も同時に作成出来ます。
私も登録して試してみましたが、5分程度で手軽に開業届を作成する事が出来ました。
後はパソコンで印刷して税務署に郵送(開業届2部と身分証明書を添付し返信用封筒を付ける)すればOKです。
後日、添付の返信用封筒に開業届が1部控えとして送付されます。
※『開業届の提出を忘れていた方!』遅れて提出してもペナルティーはないので、早速作成して提出して下さいね。
鍼灸院の開業に 必要な資格・許可 | 届出先 | 費用 |
---|---|---|
開業届 | 税務署 | 無料 |
鍼灸院開業に向けて店舗物件を探そう!
鍼灸院を開業するには、保健所への施術所開設届出書が必要でしたよね。
この施術所開設届出書の届出審査をクリアするのに重要なのが構造設備基準です。
構造設備基準のポイント
1 6.6㎡以上の専用の施術室を有すること。
2 3.3㎡以上の待合室を有すること。
3 施術室は室面積の1/7以上に相当する部分を外気に開放できること。ただし、これに代わるべき適当な換気装置があるときはこの限りでない。
4 施術に用いる器具、手指等の消毒設備を有すること。
※ はりを業とする場合には、オートクレーブ・乾熱滅菌器等を設置すること。ただし、使い捨てのはりを使用する場合には、使用済みのはりの保管および廃棄を安全な方法で行うこと。
5 施術室は、住居・店舗等と構造上独立していること(出入口を別に設ける等明確に区画すること)。
6 施術室と待合室の区画は、固定壁で上下左右完全に仕切られていること。
7 ベッドを2台以上設置する場合には、各々カーテン等で仕切り、患者のプライバシーに配慮すること。
構造設備基準とは、あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律施行規則第25条および柔道整復師法施行規則第18条により規定されている、鍼灸院の開業に求められる設備スペックです。
この構造設備基準を満たさないと、保健所の検査で許可が出ず鍼灸院を開業する事が出来ません。
鍼灸院開業のため店舗物件を借りる際は、必ずこの設備スペックが満たせられる物件を選択する必要があります。
貸店舗(賃貸物件)で鍼灸院を開業する場合
賃貸物件で鍼灸院を開業する場合、選択肢としては貸店舗か賃貸マンションが候補になります。
但し賃貸マンションで鍼灸院を開業するといっても、賃貸借契約書には必ず使用目的の記載があり住居として契約した賃貸マンションでは鍼灸院を無断で開業する事は出来ません。
もし貸主の許可も取らずに普通の賃貸マンションでしてしまうと賃貸借契約上、重大な契約違反になってしまいます。
そこでオススメするのが、SOHOタイプの賃貸マンションです。
SOHOとは住居仕様のマンションなのに、店舗契約や事務所契約が可能な物件になります。
最近のSOHOタイプのマンションは、デザイナーズ物件と呼ばれるものも多くあり新たに内装を施さなくてもオシャレな内装ですぐに店舗を開業出来るものが多くあります。
※SOHOタイプのマンションでも、事務所はOKだけど店舗はNGという物件もあります。
そんなSOHOタイプのマンションを探すなら、DOOR賃貸がオススメです。
DOOR賃貸なら、大手賃貸物件サイトをまとめて検索可能(スーモ、マイナビ、アパマンなど)でSOHOが簡単に探せます。
構造設備基準を満たす鍼灸院の開業におススメな物件がないか検索されてみてはどうでしょうか。
自宅併設で鍼灸院を開業する場合
鍼灸院を自宅の一部で開業する場合、保健所への施術所開設届出書の提出が当然必要になります。
ですから内装や備品など、保健所の指定する構造設備基準の要件を満たす必要があります。
出張施術で開業する場合
鍼灸師として患者(お客様)に鍼灸の施術を行う場合、必ずしも鍼灸院を開設しなければ行けない事はありません。
鍼灸師は、お客様の自宅などに伺って出張施術を行う事が可能だからです。
そこで出張施術を行う場合には施術所開設届出書ではなく、出張業務開始届出書を保健所に提出します。
なお地域の保健所毎に判断が大きく異なるのですが原則としては出張先として許可できるのは、患者さんの居室 (自宅、老人ホームなど住まいとしている場所)とされています。
ですからホテルは一時利用の居室ということになるが、グレーゾーンになってしまいます。
また出張業務開始届出書を提出しても、レンタルサロンなどで鍼灸の施術を行為は、その場所がお客様の居室には該当しないため、地域によってはNGと判断する保健所もあるので注意が必要です。
鍼灸院の開業に必要なものは?
鍼灸院の開業時に必要なものとして、まずは保健所の立入検査時に下記が必要になります。
(※使い捨てのディスポ鍼や使い捨て鍼皿(シャーレ)のみ使用する場合は不要)
・手指等の消毒設備(エタノール)
なお施術時の消毒にエタノールは必須ですが、手動のポンプ式ではなく下記の様なセンサー式の自動手指消毒器もあります。
次に鍼灸の施術時に必要なものとして、下記が必要になります。
・鍼(ディスポ鍼・ローラー鍼など)
・器具(パルス治療器・赤外線治療器)
・衛生備品(綿花・鍼皿・ディスポ鍼の廃棄ボックス・フェイスマット)
・施術者用の施術着・お客様用の施術着
各種備品は鍼灸専門のお店で揃える方も多いと思いますが、施術ベッドについてはエステも整骨院も鍼灸院も大きな違いはないので、低価格で取り扱い種類も多いセブンエステがおススメです。
次にディスポ鍼の選び方については、針の長さ・太さ・価格以外の要素も重要です。
例えば日本国内で流通しているディスポ鍼の多くに、シリコンオイルで塗装されたものが流通していますよね。
シリコンでコーティングされているので刺入しやすいとも言えますが、シリコンが異物と判断されて肉芽腫になる可能性も現在のところ完全には否定できません。
そこでフェイシャル系の施術をメインとする場合には、非コーティングのものを選ぶのも1つの選択肢ではないでしょうか。
また電気を良く通す物質を導体、通さない物質の事を絶縁体と言いますがシリコンはその中間である半導体になります。
つまりパルスを使う場合には、シリコンコーティングしているディスポ鍼とそうでないディスポ鍼とでは違いが生まれる可能性もあります。
また患者さんの立場にたって、切皮痛をより少なくする形状のものを吟味しましょう。
鍼灸院の開業時にクレジットカード決済を導入しよう!
鍼灸院の開業準備が整ったら、支払手段としてクレジットカード決済の導入も忘れずに行いましょう。
なぜならクレジットカード決済を導入するだけで集客効果がUPする事が過去の統計から分かっているからです。※1
※1「クレジットカード非対応がもたらす機会損失に関する調査2014の調査」
この調査結果によると、クレジットカードを利用する方には2つの傾向がある事が分かりました。
・事前にクレジットカード決済を導入しているお店か確認し導入していない場合、クレジットカードが使える別のお店を選んだ→ 18%
・クレジットカードが未導入だと知らずに店舗に訪問し、以後2度と来店しないか来店頻度が減った→ 3%
つまり、クレジットカード決済を導入していない鍼灸院は導入している鍼灸院に比べ、知らず知らずのうちに21%もの見込客を失う可能性があると言えます。
これは逆に言えば毎月新規顧客が100人来店する鍼灸院の場合、クレジットカード決済を導入するだけで毎月121人の来店数に変化する可能性があるわけですから、凄い集客効果ですよね。
しかし、それでもクレジットカード決済を導入したら手数料が取られて売上が減るから自分の鍼灸院には導入したくないという方もいらっしゃいます。
確かにクレジットカード決済を導入した場合、カード決済額の約3.25%程度をカード会社に支払う必要があります。
しかし考え方を変えれば、下記の様に言えます。
確かに少し考えて見れば鍼灸院の見込客が21%も上昇する理由は色々と思いつくと思います。
例えば財布に余裕がなくても、クレジットカード決済を導入している鍼灸院なら当日予約も気軽に出来ますよね。
また従来クレジットカード決済(キャット端末と呼ばれる高額な機械)を導入するにはそれなりにコストも掛かりました。
しかし最近ではスマホに小さな端末を接続するだけで手軽にカード決済が導入できる様になりました。
そこで現在、日本国内で利用出来るスマホ決済(モバイル決済)大手3社を比較してみます。
スマホ決済サービス(モバイル決済) 比較表
サービス名 | |||
月額料金 | 0円 | 0円 | 0円 |
決済端末価格 | 7,980円~ | 19,800円 | 19,800円 |
決済手数料 | 3.25%VISA/Master | 3.24% VISA/Master | 3.24% VISA/Master |
備考 | カード番号手入力可 | 端末実質無料 |
2022/04/11現在
これら3社に共通するのは【初期導入コストの安い】・【入金スパンが早い】・【売上に応じた手数料が安い】です。
おススメ!スマホ決済(モバイル決済) 第1位 Square スクエア!
鍼灸院の開業に伴い新規にクレジットカード決済を導入するなら、squareがおススメです。
squareは月額利用料0円、決済手数料も魅力ですが、お客様をお待たしない処理スピードの速さ、カード情報が読み取れなくてもカード番号を手入力で決済出来るところが魅力です。
もちろんクレジットカードは支払手段の1つに過ぎないので、保険適用の治療行為を行う鍼灸院でもクレジットカード決済の導入が可能です。
また他社は基本的に都度払い(その日の施術分をその日に支払い)しか対応していませんが、squareなら複数回に渡るコース料金の施術や回数券代の支払いでも利用可能です。
ですからSquareを導入すれば単純に見込客が21%増えるだけではなく、回数券の販売など高単価メニューの売上促進(回数券なども)にも繋がると言えます。
鍼灸院の開業に必要な契約手続をしよう!
電気・水道など開業までに必要な契約を整えて鍼灸院の開業準備を整えましょう!
- 光熱費関連
- クレジットカード決済
- ネット予約システム / ホームページ
- 防犯・セキュリティー(必要に応じて)
- 損害賠償保険
- 媒体掲載の契約
- 有線などの音楽関連
- インターネット回線・電話契約
- 塵処理契約
なおディスポ鍼などは、感染性廃棄物として適切に処理する必要があります。
専門の廃棄業者と契約を行いましょう。
また、鍼灸院を開設し個人事業主となったら専用の銀行口座も開設して、売上管理や経費の支払い専用口座にしましょう。
鍼灸院の集客方法
まずはじめに、鍼灸院の集客方法を理解する前に重要な要素があります。
それは鍼灸師はサービス業であり、接客力・営業力が圧倒的に必要な業種だと言う事です。
当たり前のように思われる方もいらっしゃると思いますが、私は実際多くの鍼灸師や柔道整復師の方に接して感じたのはそれらの素養が伴っている方はごく少数だと言う事です。
鍼灸師になれば患者さんからは先生と呼ばれる事もあると思いますが、適切な治療を行うにはまずカウンセリング能力が重要ですよね。
つまり患者さんから信頼されて心を開いてもらわない限り、もっとも適切な治療は出来ません。
しかし接客業も経験せず鍼灸の専門学校を卒業して突然に鍼灸師として働き始めた場合、それらの素養が最初から備わっているかは疑問です。
つまりそれらのアドバンテージを低い事を前提に、どうすれば補えるのかという事を真剣に考えるべきだとおもいます。
なぜなら集客を得るために販促にいくらお金を投入しても、接客が出来ない鍼灸師はリピートに繋がらないからです。
鍼灸院の集客ルールは?
鍼灸師として鍼灸院を開業した場合、お客様をどうやって集客していくのか考える上で色々と注意が必要になります。
なぜなら”あん摩マツサージ指圧師、はり師、きゆう師等に関する法律”の第7条により、鍼灸院の集客を行うための広告に制限が設けられているからです。
具体的な制限内容は下記の通りです。
何人も、いかなる方法によるを問わず、下に掲げる事項以外の事項について広告が出来ないとされています。・施術者である旨並びに施術者の氏名及び住所
・第一条に規定する業務の種類・施術所の名称、電話番号及び所在の場所を表示する事項
・施術日又は施術時間
・その他厚生労働大臣が指定する事項【広告し得る事項】一 もみりょうじ
二 やいと、えつ
三 小児鍼(はり)
四 法第九条の二第一項前段の規定による届出をした旨(平成28年6月29日追加)
五 医療保険療養費支給申請ができる旨
(申請については医師の同意が必要な旨を明示する場合に限る。)
六 予約に基づく施術の実施
七 休日又は夜間における施術の実施
八 出張による施術の実施
九 駐車設備に関する事項参照元:全国柔整鍼灸協同組合
つまり鍼灸院を開業して看板や新聞広告・チラシを作成して集客しようと思っても、掲載できる内容に制約が多くとても集客に結びつけるのが難しいと言わざるを得ません。
ただし変な話ですが、実はホームページに関しては現在のところ”広告”としてみなされてないので何の制約もありません。
厚生労働省としても平成 31 年の施行、平成 32 年の取締強化に向けてホームページも”広告物”として規制したがっていますが、いまのところはWEB上での集客が最有力と言えます。
そこで今回はホームページで鍼灸院に集客をおこなうためにオススメなポータルサイトからをご紹介します。
※ホットペッパービューティーについては、保険治療の有無を問わず美容鍼も含めて鍼灸院の掲載が不可となっています。
エキテンを活用した鍼灸院のホームページ集客方法!
皆さん【エキテン】という口コミ集客ができるホームページを御存知でしょうか?
エキテンは総掲載店舗数440万店・投稿口コミ数100万件超と国内最大級の店舗の口コミのホームページサイトです。
そこに自分の鍼灸院を無料で掲載してもらう事ができ、自分の鍼灸院を掲載すれば、メニュー内容やクーポン情報、店内写真など専用の紹介ページを作成する事が可能です。
またお客様には施術終わりに、口コミを投稿してもらう事でさらなる集客効果に繋げる事も可能です。
有料プランなら、ネット予約機能やお店の紹介文も代筆してくれたりとメリットもありますが、まずは無料プランで気軽に集客効果を確認するところから初めてみるのがオススメです。
しんきゅうコンパスを活用した鍼灸院のホームページ集客方法!
エキテンに近いサービスとして国内最大級の鍼灸院専門の口コミ集客サイト、『しんきゅうコンパス』があります。
こちらも無料登録で自分の鍼灸院をしんきゅうコンパスのホームページに掲載してもらう事で集客につなげる事が可能です。
無料掲載プランと有料掲載プランがあるので、こちらもまずは無料プランからスタートして集客効果を判断してみましょう。

もちろんそれらは重要ですが、ネット界隈ではむしろ、OMO(オンラインとオフラインのハイブリット)の重要性が謳われています。
これは全国区の商売ではない特定地域のビジネスなので、ホームページやSNSで多くのフォロアーを集めてもあまり意味がないですよね。
もっとリアルな接点を探しに行くアナログな販促も併用していかないと、簡単にお店が潰れます。
また鍼灸師となる前に、このしんきゅうコンパスの存在を知っていた方はいますか?おそらく大半の方がご存知なかったと思います。
つまり集客媒体としては過度な期待はせず、複数の集客ルートを確保することも大切です。
ホームページを活用した鍼灸院の集客方法!
鍼灸院を開業し、エキテンやしんきゅうコンパスなどポータルサイトに掲載し集客に成功したとしても、新規で集客出来たお客様が顧客化してくれないと経営は安定しません。
そこで重要になるのが、鍼灸院の開業にあわせて自分の強みが積極的にアピール出来る、お店のホームページを作成する事です。
なぜならお店のホームページを持つことで、ブログなどの情報発信を重ね、ブランディングを進めて顧客との結びつきを強め、結果としてお客様の顧客化がより強固になるからです。
またホームページの作成目的は直接的な集客だけではありません。意識の高いお客様ほど事前にお店のホームページを閲覧し、来店をするか判断してからポータルサイトで予約される導線になるからです。
しかし正直、お店のホームページなんて作った事ないしWEB制作会社に依頼しても高額な金額を請求されそうで怖いですよね。
そこでオススメしたいのが、CMSと呼ばれるお店のホームページ等が簡単に作成出来るサービスです。
CMSとは[コンテンツマネジメントシステム]の略で、デザイナーが作成したテンプレートを選択するだけで、簡単にデザイン性の高いお店のホームページなどが作成できるサービスです。
後は管理画面に沿って、画像やテキストを入れ込んでいくだけで、すぐにホームページが公開出来ます。
今回は集客に役立つお店のホームページが手軽に低価格で初められる3つに厳選して紹介いたします。
オススメ順位 | サービス名 | 特徴 |
第1位 | ![]() | ・月額1000円(税別)~利用可能! ・様々な業種に対応したHPが作成可能!デザイン4,000通り! |
第2位 | ![]() ![]() | ・月額0円~利用可能! ペライチなら3ステップだけでホームページをあっという間に公開可能。 誰にでも使いやすいかんたんな操作でホームページをつくれるのが魅力です。 |
第3位 | ![]() | ・月額 750円(税別)~利用可能! ・店舗向けに特化したホームページ作成サービス! |
いずれもパソコンサイトとスマホサイトが同時に作成できるものになります。
使い勝手に大きな違いはないので、好みのデザインが手軽に作成できるかなどで判断されてみてはどうでしょうか。
鍼灸院を開業したら確定申告しよう!
個人事業主として鍼灸院を開業したら、確定申告が必要になります。
確定申告とは、個人事業主の方が1月1日~12月31日までの1年間の営業結果を翌年の2月16日~3月15日の間に税務署に申告する事を言い、また確定申告の種類には青色申告と白色申告という2種類の方法があり青色申告で申告した方が税金が安くなります。
確定申告 の種類 | 白色申告 | 青色申告 | |
---|---|---|---|
届け出の必要 | なし | あり | |
所得控除額 | なし | 10万円 | 55万円 |
帳簿の種類 | 単式簿記 | 単式簿記 | 複式簿記 |
赤字の繰越 | 繰越不可 | 3年繰越可能 |
本来確定申告書を作成するには会計や簿記の知識が必要になるのですが、お小遣い帳感覚で開業した鍼灸院の確定申告の作成が可能となる、クラウド型と呼ばれる確定申告書が作成出来る会計ソフトをご紹介します。
クラウド会計ソフトとはインターネット上で入力出来るソフトの事で、特に下記はいずれも会計の知識がなくても確定申告書を作成する事が可能です。
それでは早速おススメの3社のクラウド会計ソフトを比較していきます!。
弥生青色申告オンライン | 会計ソフトfreee | MFクラウド確定申告 | |
初期費用 | 0円 | 0円 | 0円 |
対応種類 | 青色申告 | 青色申告/白色申告 | 青色申告/白色申告 |
利用料金 [税込] | セルフ 年8,800円 ベーシック | スターター 年11,760円 スタンダード | パーソナル 年11,760 円 プラス |
特徴 | 最安値&人気No1! | レシートをスマホで撮影 簡単に経理処理が出来る | 個人事業主の伸び率No.1 |
※弥生青色申告オンラインはセルフプラン初年度無料・ベーシックプラン初年度半額キャンペーン中
2022/1/19現在
上記の3社がクラウド会計ソフトでは有名です。
なお初めて確定申告を行う個人事業主の鍼灸師さんがにおススメするのは、やよいの青色申告 オンラインのぺーシックプランです。
実際私も弥生会計を利用していますが、価格も安くサポートもしっかりしているので非常にバランスの良いサービスです。
なお確定申告については下記もご参照ください。
-
【令和3年度分】鍼灸院を開業した鍼灸師さんの確定申告ガイド2022!
こんにちは、ナガイ タツヤです。 今回は”【令和3年度分】鍼灸院を開業した鍼灸師さんの確定申告ガイド2022!”です。 美容鍼などのブームもあり、鍼灸師さんが個人事業主として鍼灸院を開業されるケースも ...
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まとめ
以上、”鍼灸師の独立開業ガイド!鍼灸院の開業届や開業資金について”はいかがでしたか?
鍼灸師は保険適用される業種のため、厚生労働省による各種制約も多いのですよね。
しかし実態としては保険適用するには医師の診断書か同意書が必要となり、現実的には実費治療がメインの施術です。
またリラクゼーションサロンとは違い、鍼灸院は東洋医学をベースにした治療法を提供するため、施術を受ける側(お客さん)としては身近な存在とは言えませんよね。
体に針を刺す施術になりますから、痛そうなどネガティブなイメージとともに、施術内容の認知度が低いジャンルです。
一方で、診療費も5000円前後と施術の労力の割には高単価なサービスが提供できます。
つまり丁寧な説明と納得感の出る治療を心がけ、鍼灸院のブランディングを高めて口コミで集客していくのが順当な展開になりますね。